【ライバル比較】ヤリス・クロス/キックス/ヴェゼル 5つの視点で比べる

公開 : 2021.07.04 05:45  更新 : 2021.10.13 12:02

価格 手が届きやすい「ヤリス・クロス

最後は、クルマ選びには欠かせない「価格」だ。

「手が届きやすい」というアプローチでいえば、断然アドバンテージがあるのはヤリス・クロス。

トヨタ・ヤリス・クロス
トヨタヤリス・クロス

ヤリス・クロスのベーシックグレードの価格は、なんと179万8000円。

この仕様は先進安全装備すら省いた、いわゆる「廉価仕様」ではあるものの、価格訴求のパンチ力は強い。

逆に、FFモデルでもっとも高価なのはハイブリッドの最上級となる258万4000円だ(運転席パワーシートやディスプレイオーディオも標準装備)。

ヴェゼルは、ベーシックグレードとして展開するガソリン車が227万9200円。

もっとも高価なタイプの「PLaY」はカーナビやガラスルーフも標準装備したハイブリッドFFで329万8900円。ヤリス・クロスに比べると価格帯が上にスライドしている。

キックスはハイブリッドFFだけの展開で、基本グレードは275万9900円。

ガソリン車がないのでボトムの価格と考えれば高いし、ハイブリッドでもヤリス・クロスに比べると高めの印象。ただ、ヴェゼルに比べると控えめといっていいだろう。

よりマッチングのいいクルマが選択肢

こうして価格まで比べて感じるのは、ヴェゼルはヤリス・クロスとは「クラスが違う」と考えるのが正解だということ。

車体サイズからパワートレイン、そして価格まで、ヴェゼルはヤリス・クロスに対してすべてがひとまわり上なのだ。

日産キックス
日産キックス    日産

一般論でいえば、ライバルを比較しても多くの場合は「すべてが優れている」というクルマはほとんどなく、それぞれに優れた部分とそうではない部分がある。

その中で、どこを重視してクルマを選ぶかは消費者のおかれた状況によって異なってくる。

車体サイズをはじめ、居住性、荷室の使い勝手、そしてパワートレインや価格。

こうして最新のコンパクトSUVを並べてみてもそれぞれ特徴があるので、それを踏まえたうえで「よりマッチングのいいクルマ」に巡りあえることが幸せなクルマ選びといえるのではないだろうか。この記事が、その助けとなれば幸いだ。

記事に関わった人々

  • 工藤貴宏

    Takahiro Kudo

    1976年生まれ。保育園に入る頃にはクルマが好きで、小学生で自動車雑誌を読み始める。大学の時のアルバイトをきっかけに自動車雑誌編集者となり、気が付けばフリーランスの自動車ライターに。はじめて買ったクルマはS13型のシルビア、もちろんターボでMT。妻に内緒でスポーツカーを購入する前科2犯。やっぱりバレてそのたびに反省するものの、反省が長く続かないのが悩み。

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