【突然のモーター停止】ポルシェ、4万台以上のリコール発表 EVのタイカンおよびタイカン・クロスツーリスモ
公開 : 2021.07.04 18:05 更新 : 2021.07.08 13:04
ポルシェがタイカンのリコールを発表。ソフトウェアの不具合により走行中にモーター停止の恐れがあるとのこと。
全世界4万3000台に影響
ポルシェは、電動ドライブトレインが突然停止する可能性のあるソフトウェアの不具合を確認したとして、全世界で4万3000台のタイカンおよびタイカン・クロスツーリスモのリコールを発表した。
2021年6月以前に生産されたモデルに適用される今回のリコールは、パワートレイン制御モジュールとモーターの間で通信を行うパワーインバーター内のソフトウェアの不具合によるものだ。
ポルシェの社内テストにおいて、走行中にモーターが停止することがあることが判明したが、ブレーキやステアリングは作動したままだったという。モーターが停止した場合、ダッシュボードにメッセージが表示され、ドライバーに安全な場所にクルマを移動させるよう指示する。
ポルシェの広報担当者は、高速道路の走行中にこの問題が発生した場合、路肩もしくは待避所に到達するまでに約90秒かかると推定している。
この問題が発生してもクルマは再始動できるため、乗員が道端で立ち往生する可能性は低いとポルシェは述べている。
発生条件はランダム
ポルシェによると、問題発生の条件や特定の状況などはなく、どのような速度でも発生する可能性があるという。同社のテストでは発生率は0.3%とされており、現時点では、この不具合によって顧客が被害を受けたり、車両が損傷したりしたという報告はない。
不具合修正のため、オーナーはポルシェのディーラーでソフトウェアのアップデートを行うことになる。インバーターの再調整が必要になるため、無線アップデート(OTA)はできない。おおよその作業時間は1時間だという。
ポルシェは、タイカンの電動パワートレインとは無関係であるとして、パナメーラとカイエンのハイブリッドモデルには影響がないと述べている。一方、アウディの広報担当者はAUTOCARに対し、新型のeトロンGTも影響を受けているが、「大部分」はすでに修正されていると述べている。
ポルシェは今回の問題を受けて、生産前のテストプロセスを一部強化するとともに、次期マカンEVが同じ問題の影響を受けることはないとしている。