【5000万円超予想も?】「奇跡の」日産スカイラインGT-R(R34)ニュル 未登録/走行10km 7/5入札開始
公開 : 2021.07.05 08:20 更新 : 2022.03.25 18:49
スーパーカー並み 相場はどのくらい?
「ニュル」の名前が付くMスペックとVスペック。新車時の全国希望小売価格(消費税を含まず)は以下。
「Mスペック・ニュル」630万円(東京/名古屋/大阪)、632.9万円(福岡):販売台数約250台
「VスペックIIニュル」610万円(同)、612.9万円(福岡):販売台数約750台
当時の国産車としては600万円超の新車価格はかなり高額な部類に入る。
これが即日完売なのだから、「伝説」はもう新車時から始まっていたといってもいいだろう。
完売から間もなく中古車市場では1000万円を超えて取引されるようになり、10年前の2011年頃は800~1500万円前後、近年は3000万円超が当たり前になった。
2020年10月24日にAUTOCAR JAPANに掲載された「【3000万円超で落札も】日産スカイラインGT-R(R34)高騰 いったいどこまで高くなる? 一時的との見方とも」という記事の中で、これらの限定車が業者オークションにて2020年9月末に3000万円超、10月上旬には3300万円超で落札されたことを紹介した。
消費税を加えると3600万円以上となりもはやスーパーカーの世界だ。
現在はどれくらいの価格で販売されているのだろうか?
中古車情報誌「カーセンサー」を見てみると、2021年7月4日現在でのスカイラインGT-R(R34/1999年1月~2002年8月)は53台が掲載されており、平均価格は1782万円、価格帯1280万円~3580万円となっており2010万円以上が29台もある。
53台のうちもっとも高額は3580万円(消費税込み)の「2.6 VスペックIIニュル4WD BBS LM18アルミ・ニスモマフラー」という個体で走行距離は3.4万km。
次に高額(3480万円)なのも同じ、Vスペックニュルでこちらは走行距離1.3万km。
ニュルはいずれもVスペックのみでMスペックの方は掲載されていない。
なぜこんな高額に? ワイスピが人気後押し
ところで、「ニュル」を含むスカイラインGT-R(R34)はなぜこんなに高額なクルマとなってしまったのだろうか?
その理由の1つはやはり、世界的なJDMブームを引き起こした映画ワイルドスピードシリーズ(原題:Fast and Furious saga)の存在が大きい。
映画が作られた1990年代の終わり頃から日本製スポーツカーをカスタムしたり、チューニングしたりするいわゆる「スポコン」(スポーツコンパクト)ブームがあったからこそ、この映画が誕生したともいえるが、シリーズ1~3作目に登場する80型スープラやランエボ、インテグラ、マツダRX-7をベースにヴェイルサイドによる大胆なカスタムで話題となったRX-7 Fortuneなども非常に高い人気となっている。
そしてGT-R(R34)に関していえば映画の主人公であるブライアン・オコナー刑事の愛車として登場したこと、演じる俳優のポール・ウォーカーが2012年にプライベート使用中のスポーツカーで事故死したことなどもカリスマ性を際立たせることとなった。
ちなみに2021年6月に開催された世界最大の自動車コレクターオークション「バレット・ジャクソン」において、ポール・ウォーカーが1作目の撮影で実際に運転した証明付きのオレンジ色のスープラがなんと約6000万円で落札されている。
R34までのスカイラインGT-Rがとくに人気なのは、「アメリカでは販売されてこなかった」車種であることも関係している。
右ハンドルという真のJDM、希少価値という理由だ。
本来、アメリカでは右ハンドル車の販売は特別な理由がある場合を除いては禁止されているが、製造から25年を過ぎれば、「25年ルール」の対象となってアメリカの保安基準(FMVSS)や排ガスの基準なども原則として撤廃されるため右ハンドル車の輸入/販売/登録が可能になる。
1989年8月発売のスカイラインGT-R(R32)が2014年に解禁となったことでGT-R(R32)の価格が高騰し、以降も高額で取引されている。