【GM大躍進】新型コルベットが売れるワケ 圧倒的コスパ ライバル不在の指名買い

公開 : 2021.07.08 05:45  更新 : 2021.10.09 23:41

ライバル不在 圧倒的コスパの良さ

では、新型「コルベット」の人気の理由はどこにあるのだろうか。

ゼネラル・モーターズ・ジャパンによると、「右ハンドルが用意されていること」、「コスパの良さ」の2つが大きいのではないかという。

シボレー・コルベット
シボレー・コルベット

今回の新型「コルベット」は、1953年からなるコルベット史上初となる右ハンドル車が用意されたことがトピックになる。

しかも、その最初の生産ロットは、日本向けに割り振られたとか。

GM本社としても、日本などの右ハンドル市場を重視する姿勢をみせてくれたということだ。

そんな、本社肝いりのモデルを売れなくては、日本法人のメンツにかかわる。そうした販売側の気合も、人気の理由の1つとなるだろう。

そして「コスパの良さ」とは、新型「コルベット」のパッケージングとパフォーマンスに対する価格にあたる。

具体的な価格は、ベースとなるクーペ2LTが1180万円、上位グレードのクーペ3LTが1400万円、コンバーチブルが1550万円だ。

すべて1000万円以上。それだけを見れば、けっして安いわけではない。しかし、その内容を見れば別だ。

新型「コルベット」は、モデル史上初となるミッドシップの駆動レイアウトを採用したのが最大のトピックだ。

搭載されるのは495psの6.2L V8エンジン。

もちろん、その姿は、エキゾチックなスーパーカーそのものなのだ。

ちなみに、スーパーカーの代名詞的存在であるフェラーリのV8ミドシップマシンとなる「F8トリブート」の価格は3328万円。ランボルギーニの「ウラカンEVO RWD」で2653万円。日本車のホンダNSX」でさえも、2420万円もする。

端的にいえば、ミドシップのスーパーカーであれば2~3000万円以上することが当然。

それに対して新型「コルベット」は、クーペ(正確にはルーフを外すことのできるタルガトップ)が1000万円台前半というだけでなく、リトラクタブルハードトップのコンバーチブルでさえ1550万円という価格。

ミドシップのスーパーカーとしては、驚くほどのバーゲンプライスであるということだ。

そのため「ライバルは、ほとんど存在しません。ほとんどのお客さまが指名買いのようなものです」とゼネラル・モーターズ・ジャパンは説明する。

また、新型「コルベット」は、ファブリックではなく、電動で開閉できるリトラクタブルハードトップがとくに人気だとか。

これまで7%程度であったコンバーチブルの割合は、新型では40%ほどにもなるという。

また、エントリーのクーペ2LTが35%ほどで、上級の3LTは5%ほど。3つあるグレードのうちで、最も価格の高いコンバーチブルが売れている。

これもゼネラル・モーターズ・ジャパンにとっては、嬉しい変化といえるだろう。

正直なところ、日本における近年のGM車の明るい話題は少なかった。

新型「コルベット」の人気を契機に、日本におけるGMの存在感アップに期待したい。

記事に関わった人々

  • 鈴木ケンイチ

    Kenichi Suzuki

    1966年生まれ。中学時代は自転車、学生時代はオートバイにのめり込み、アルバイトはバイク便。一般誌/音楽誌でライターになった後も、やはり乗り物好きの本性は変わらず、気づけば自動車関連の仕事が中心に。30代はサーキット走行にのめり込み、ワンメイクレースにも参戦。愛車はマツダ・ロードスター。今の趣味はロードバイクと楽器演奏(ベース)。

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