フィアット500L MPW 1.6マルチジェット
公開 : 2014.03.14 22:40 更新 : 2017.05.29 18:51
■どんなクルマ?
5+2シーターのフィアット500L MPWは、フィアット500シリーズの中でも最も長いボディを持つモデルだ。ホイールベースは500Lと同じでありながらも、そのボディの全長は205mmほど長い。そのため、500の可愛らしいスタイルは姿を潜め、不格好なMPW−−マルチ・パーパス・ワゴンとなっている。それでも、その高いルーフと大きなグラスハウスのお陰で、広々としたキャビンが確保されている。
エンジンは4つのランナップを持つ。今回試乗した最もトルクの大きい106psの1.6ℓマルチジェットのほか、96psの1.3ℓマルチジェット、106psの0.9ℓツインエアー、そして96psの1.4ℓガソリンだ。中でも、1.6ℓディーゼルのマルチジェットは、少なくとも紙の上ではオールラウンド・プレイヤーという性格付けがされている。その経済性はクラス標準といったもので、22.2km/ℓの燃費と、117g/kmというCO2排出量を持つ。
トリムは2つ用意されており、このポップスターは、廉価なモデルとなる。
■どんな感じ?
500L MPWは、クラス・ベストのモデルと比べると明らかに収納スペースは不足している。その引き替えとして、スマートなキャビンが用意されるというわけだ。それでも、セカンド・シートまでシンプルなストラップによって簡単に折りたたむことができる。そのサード・シートは、子供向けとしかいいようがない。大人はごく短い距離の移動しか耐え切れないことだろう。それでもヘッド・クリアランスもレッグ・ルームも充分な広さがある。キャビンは縦方向には大きいと感じる反面、パッセンジャー・サイドのバック・ミラーを見た時には、その近さに驚くこととなる。思いの外、幅は狭いのだ。
インテリアは500シリーズのDNAが引き継がれたものだ。そのシックな造りは好ましい。
注目の1.6ℓエンジンは、充分なパフォーマンスを発揮する。しかし3000rpmを超えて回してやろうという気にはならないもの。静かに走らせるのがベストなエンジンだ。それなりのペースで走らせる分には、非常に洗練されているということができる。組み合わせられる6速マニュアル・トランスミッションも滑らかだ。
フィアットはサスペンション・セットアップについて、見直している。特にそれは3列目のシートの乗り心地を改善する方向でなされている。少なくとも、1列目、2列目のシートに座っている限り、乗り心地は滑らかだ。確かに大きな路面の凹凸を乗り越える際の衝撃はキャビンに伝わってくるが、それはいたしかたがないところだろうか。
ステアリングは、予想どおり性格で、低速での取り扱いを楽にするシティ・モードも備えられている。
■「買い」か?
フィアット500L MPWは7シーター・モデルであるとは主張していない。あくまで5+2シーター・モデルなのだ。3列目は完全なシートと呼ぶには少々ためらいがあるのだろう。しかし、このサイズのクルマでありながら、7人の乗車が可能というのは嬉しい。大きいトランクを備えた5シーターとして日常は使うことになるのだろう。
(スチュアート・ミルン)
フィアット500L MPW 1.6マルチジェット・ポップスター
価格 | £18,990(321万円) |
最高速度 | 180km/h |
0-100km/h加速 | 12.0秒 |
燃費 | 22.2km/ℓ |
CO2排出量 | 117g/km |
乾燥重量 | 1425kg |
エンジン | 直列4気筒1598ccターボ・ディーゼル |
最高出力 | 106ps/3750rpm |
最大トルク | 32.6kg-m/1750rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |
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