【エンジン大国】史上最高のドイツ製エンジン 20選 単気筒からW16まで
公開 : 2021.07.11 06:05 更新 : 2021.07.17 03:56
ブガッティW16
ブガッティはフランスの高級車ブランドだが、フォルクスワーゲンの傘下にあり、ドイツの技術がふんだんに使われている。このエンジンは、狭角の4.0L V8を2基、共通のクランクケースに搭載することで、独特のレイアウトを実現している。
このエンジンは、コンセプトカーのアウディ・ローゼマイヤーとベントレー・ユーノディエールに搭載された後、2005年のブガッティ・ヴェイロン(写真)で量産された。
ヴェイロンでは1000psを発揮していたが、2016年にヴェイロンに代わって登場したブガッティ・シロンでは、その出力が1500psに引き上げられた。
ダイムラーDB603
DB603は、ドイツをはじめとする世界各国で開発された自動車用エンジンの中でも、最も優れたエンジンの1つである。そのクルマとは、メルセデスT80であり、陸上の速度記録に挑戦するために設計されたものである。
44.5LのV12エンジンは約3000psを発生し、1930年代半ばに開発プロジェクトが開始されたときには十分な出力と思われた。
しかし、第二次世界大戦が勃発したことで、記録更新への関心が薄れてしまったのである。メルセデスが再び開発に取り組めるようになったときには、速度記録は634km/hにまで伸びていた。
これはT80の目標速度を30km/h以上も上回るものであったため、プロジェクトは中止された。
DKW 2ストローク
DKWは、ループ・スカベンジング(ループ掃気法)というシステムの特許を取得し、それをうまく使い、近づく者には弁護士をつけることで、2ストロークの自動車とオートバイの世界的なトップメーカーとなった。
1928年には、DKWはアウディを買収する余裕があるほどの成功を収めていた。
1960年代に入って、DKWはようやく4ストロークのF103を開発した。当時のオーナーであるフォルクスワーゲンは、騒音や臭いのあるエンジンを連想させるとして長い間眠っていたアウディの名前を復活させた。
もし、2ストロークエンジンの開発がなければ、アウディは今ではほとんど忘れ去られていただろう。
マンB&W 11G95ME-C9.5
この記事は主に自動車について書いているが、ドイツ製のエンジンについては、フォルクスワーゲン傘下のマン(MAN)社が製造し、全長400m、1万9千個のコンテナを積んだ巨大なMSC JADEに搭載された驚異的なマリンユニットを抜きにしては語れない。
この11気筒2ストロークエンジンは、わずか80rpmの低回転で約10万4000psの出力を発揮する。2万6977Lの排気量は、世界最大の内燃機関と言われているフィンランドのバルチラ・スルザーRTA96-Cよりも約1677L大きい。