【マイナーチェンジで訴求力上昇】レクサスLC500h クーペ・スポーツパックへ英国試乗 後編
公開 : 2021.07.16 19:05
一風変わった個性の、とても素敵なクーペ
ステアリングホイールにはシフトパドルが備わるが、マニュアルモードで弾いても、小気味よく反応してくれるわけではない。10段に小分けされた、ややヌメッとした感触の連続だから、積極的にドライバーが変速したいとは感じないと思う。
それでも、ドライブトレインをLC任せにして運転すれば、文明的でしなやかな、長距離をカバーできる走り味を存分に楽しめる。
レクサスLCのハイブリッドシステムは、少し評価がしにくい。右足に力を込めれば、LC500hはすぐさま加速する。市街地をエコモードで走らせれば、14.2km/Lから15.9km/Lくらいの燃費を簡単に出せる。
扱いやすい太いトルクがあり、機械的な洗練度もトップクラス。普通に運転するだけで、優れた操縦性と不足ない動的性能を実感できる。だが、LC500hのパワートレインは、スポーツカー的でもマッスルカー的でもない。
クルマとのメカニカルな一体感を強く望まず、加速時のギアを気にしないドライバーなら、LC500hと幸せな時間を過ごせるはず。マイナーチェンジで、従来より遥かに優れた、毎日乗れるラグジュアリー・ツアラーへ進化したことは間違いない。
英国中部、コッツウォルズ郊外のホテルの窓から眺めるレクサスLC500hは、とても素晴らしい姿に映るだろう。週末旅行の荷物を、コンパクトにまとめることができるなら。
一風変わった個性を備えているが、とても素敵なクーペだ。
レクサスLC500h クーペ・スポーツパック(英国仕様)のスペック
英国価格:8万5325ポンド(1314万円)
全長:4770mm
全幅:1920mm
全高:1345mm
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:5.0秒
燃費:12.3km/L
CO2排出量:184g/km
車両重量:1980kg
パワートレイン:V型6気筒3456cc自然吸気+AC同期モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:359ps(システム総合)
最大トルク:36.3kg-m(エンジン)/30.6kg-m(電気モーター)
ギアボックス:マルチステージ・ハイブリッド(無段階)