現代的なポイントを抑えた高級車

エンジンはフレキシブルでスムーズ。ドライバーが求めれば、かなり力強い加速も引き出せる。余裕があり運転しやすい。8速ATも滑らかに変速をこなし、良いパートナーになっている。

シフトパドルもついていて、マニュアルモードでの変速も可能。だが、マナーが良いから操作する必要性は殆ど感じられないだろう。

ハンドリングは落ち着いていて反応が予想しやすく、安心感がある。シャシーの限界領域へ迫るにつれてボディロールが大きくなり、一体感やスポーティさを感じるものではない。

グリップ力は高く、走りにまとまりはある。だが、クルマの穏やかなパフォーマンスを引き出せる程度に留まっている。反面、緩い姿勢制御へ悩まされたり、おっとり気味の操作系に運転を邪魔されているような感覚もない。

欧州市場へ新規参入する、ジェネシスのG80。プレミアムさを感じさせる現代的なポイントを多く抑えており、充分に高級車と呼べる完成度を得ている。

従来までの慣れ親しんだブランドより少し控えめながら、日常的な暮らしには、よりフィットしやすいモデルかもしれない。ブランドとしての地位はこれからでも、あえて選ぶことで、賢く大人に感じられるという人もいるだろう。

ドイツ御三家の後を追うモデルとして、有望な仕上がりだといえる。ジェネシスとしての違いもある。チャレンジはこれからだ。

ジェネシスG80 2.5T AWDラグジュアリー（英国仕様）のスペック

英国価格：4万5800ポンド（705万円／予想）
全長：4995mm
全幅：1925mm
全高：1465mm
最高速度：249km/h
0-100km/h加速：6.0秒
燃費：9.0-9.2km/L
CO2排出量：196g/km
車両重量：1930kg
パワートレイン：直列4気筒2497ccターボチャージャー
使用燃料：ガソリン
最高出力：304ps
最大トルク：42.9kg-m
ギアボックス：8速オートマティック

画像　欧州へ参入　ヒュンダイのジェネシス　競合の上級サルーンと比較　全158枚