【すでに来年分も完売】光岡バディ人気の背景 わかりやすい「アメ車感」日本人のツボ?
公開 : 2021.07.13 05:45
アメリカンテイスト満載の光岡バディ。すでに来年分も完売となっていますが、人気の理由を考察します。
アメ車テイスト満載「バディ」に予約殺到
富山県富山市の本拠を置く、光岡自動車の最新SUVモデル「バディ」が人気だ。
光岡自動車といえば、これまで日系メーカー各社のクルマをベースとして、クラシカルなデザインテイストを用いた外観が最大の特長だった。
今回、同社として初となるSUVのベース車はトヨタ「RAV4」で外観にはアメ車の雰囲気が色濃い。
商品コンセプトとしては「自然体でサラリ乗りこなせる相棒」だ。
筆者(桃田健史)はアメリカでの生活が長く、そうした実体験の中で素直に表現すると、縦方向に重ねた角型ヘッドライトや、大きな格子状のフロントグリルから、「80年代のGMシボレーブレイザー」を思い出す。
公開されているバディのウェブカタログを見ても、いかにも南カリフォルニアのビーチサイトをイメージしたようなバックシーンで、ホイールもアメリカンテイストをふんだんに盛り込んでいる印象だ。
バディの正式発表は2020年11月26日。その時点での発表内容では、バディは台数限定車ではなく正式ラインナップモデルだが、2021年は50台、そして2022年以降は年間150台の生産計画だ。
当然、2021年発売予定分は予約販売でソールドアウト。それどころか2022年分まで予約で埋まっており、現時点(2021年7月)申込は2023年6月から9月の生産枠となっている。
なぜ、ここまで人気なのか?
アメ車所有はハードル高し でも光岡なら
バディ人気の背景にあるのは、日本人が本来持っている「古き良きアメ車に対する憧れ」ではないだろうか。
トヨタやホンダなど大手量産メーカーとは違い、個性豊かなモデルを少量生産する光岡自動車がアメ車ライクなデザインを始めたのは、同社50周年記念モデルとして2018年11月発売の「ロックスター」からだ。
商品コンセプトを「夢、挑戦、次代へ」である。
ロックスターは一目瞭然、1960年代のGMシボレーコルベット2代目モデルを強く意識していることが分かる。ベース車はマツダ・ロードスターだ。
バディ同様にロックスターの販売も好調で、初回限定200台は完売し、2019年に50台、2020年と2021年はそれぞれ75台の生産計画となった。
筆者としても、たしかにバディやロックスターのデザインに心惹かれるところがある。
60年代から70年代初頭、オイルショックや排ガス規制でアメ車が苦しむ前、開放的に革新的なアメリカンライフに憧れ、その地でイキイキと走り回るアメ車たちは、実に輝かしい存在だった。
とはいえ、当時のアメ車はガス・ガズラーと称される燃費の悪い大排気量車であり、また日本国内で購入する場合の価格も高く、部品供給体制も貧弱であるため、庶民にとってアメ車は遠い存在だった……。