【日本の高性能EV】レクサス 次期EVはパフォーマンス重視 高いダイナミクス実現目指す
公開 : 2021.07.13 06:05
ダイナミックなデザイン
コンセプトに搭載されていた90kWhの床下バッテリーは、WLTPで605kmの航続距離を実現し、最大150kWでの充電が可能だ。エントリーグレードには小型バッテリーの採用も考えられる。
LF-ZやbZ4Xなどのコンセプトモデルと同様に、レクサスが新たに開発した完全可変式のドライブトレイン「ダイレクト4」を採用し、コーナリング性能を向上させるトルクベクタリング機能を搭載した4輪駆動を標準とする予定だ。
また、革新的なステア・バイ・ワイヤ方式の電子制御ステアリングシステムを採用することで、ステアリングホイールと駆動輪の間の機械的なリンクを排除し、よりダイレクトで魅力的なドライビング・エクスペリエンスを促進するという。
このダイナミックさはインテリアにも生かされており、新しいコックピットデザイン「Tazuna(手綱)」が採用されている。これはドライビング・エクスペリエンスの向上に重点を置いたデザインだ。開放感のあるキャビン、カーブを描くダッシュボード、スポーツスタイルのシートなどがEVファミリーの特徴になると期待される。
また、先進的な運転支援技術により、高度な自動運転の実現を目指す。
レクサスは、イメージ転換の一環としてラインナップの大幅な多様化を図り、高級車セグメント、特に欧州での市場シェア3%、年間販売台数6桁の達成を目指す。ルーシュはAUTOCARに対し、次のように述べている。
「わたし達はカバーしたい主要セグメントをカバーしていますが、もちろん、どんなものに意味があるのか、あるいはラインナップを拡大する機会があるのかどうかを常に検討しています」
ルーシュは、レクサスが新たなセグメントのモデルを検討していることを認め、それがハッチバックのCT 200hの後継モデルとなることを示唆した。実現すれば、販売台数の多いアウディA3やメルセデス・ベンツAクラスに対抗するモデルとなるが、ルーシュは「さまざまなオプションを検討していますが、何も決まっていません」と述べ、第2世代のCTではこれまでと異なる位置づけになる可能性を匂わせた。
水素燃料電池レクサスの可能性
レクサスの親会社であるトヨタは、バッテリーによる電動化に代わるものとして、水素燃料電池技術の開発に取り組んでおり、先日、FCEVであるミライの第2世代を発表した。ミライは、LCやLSと同じGA-Lプラットフォームを使用しており、このことから燃料電池のパワートレインがレクサスにも導入される可能性がある。
パスカル・ルーシュは次のように述べている。
「もしかしたら、いつかレクサスのFCEVを目にすることになるかもしれません。不可能ではありません」
しかし、同氏はFCEVがどのセグメントに投入されるかについては言及を避け、ミライとは「異なるものでなければならない」と強調した。
レクサスは2016年に、洗練された水素燃料のコンセプトカー「LF-FC」を発表し、当初は2020年までに発売を予定している市販モデルの予告としていた。さらに最近では、トヨタはグループの電動化移行において水素が重要な役割を果たすとしている。
スバルとトヨタの兄弟車
●スバル・ソルテラ
トヨタと共同で開発したe-TNGAプラットフォームは、2022年に発売予定の新型SUV、ソルテラに初めて採用される。内燃機関を搭載したフォレスターと同サイズのCセグメントSUVで、スタイリングを大幅に進化させ、前輪、後輪、4輪駆動のレイアウトを採用する予定だ。
●トヨタbZ4X
RAV4にインスパイアされたタフなスタイリングと、広々とした室内空間が、スバルやレクサスのEVとの違いを際立たせる。また、ソーラー充電システムを搭載することで、競争力のある航続距離を実現している。