あなたのクルマ、乗り続けられる? 話題の液体燃料「eフューエル」とは

公開 : 2021.07.14 05:45  更新 : 2021.10.09 23:39

ユーザーに負担が押し付けられない形で

エンジン車に乗り続けたいという人間にとっては、この計画が順当に進めば、安価なエンジン車に乗り続けることも可能となる。

現在のガソリン車と同様の使い勝手のまま、カーボンニュートラルの時代に適合できるのだ。

マツダが2020年8月に発表した「次世代バイオディーゼル燃料運用車両」イメージ
マツダが2020年8月に発表した「次世代バイオディーゼル燃料運用車両」イメージ    マツダ

課題は、いかに大量に、いかに安価に「eフューエル」を量産するかにある。

水素と二酸化炭素をいかに効率よく反応させるかも重要だが、原料となる水素と二酸化炭素をCO2フリーで手に入れることも大きなハードルだ。

二酸化炭素をどこから手に入れるかによっても、環境負荷の大きさも変わってくる。うまくいかなければ、エンジン車消滅の危機となる。

とはいえ、ライバルとなるFCVやEVにも、それぞれ普及のための高いハードルが存在する。

FCVとEVが、うまく低コスト化などの計画を進めないと、ユーザーが高い代償(高額な車両費やランニングコスト)を負担することになる。

そういう意味では「eフューエル」やバイオ燃料などの選択肢が増えることは、ドライバーの負担増というバッドシナリオ回避の可能性を高めてくれることになる。

正直、最も重要なことは、ユーザーの負担増なしに、カーボンニュートラル時代にクルマを利用できること。

負担が少なければ、FCVであろうともEVであろうとも、「eフューエル」でもバイオ燃料でも、どれでもよいのだ。

どちらにせよ、答えが出るのは10年から20年ほども先の話。技術開発と制度とインフラの整備がスムーズに進むことを祈りたい。

記事に関わった人々

  • 鈴木ケンイチ

    Kenichi Suzuki

    1966年生まれ。中学時代は自転車、学生時代はオートバイにのめり込み、アルバイトはバイク便。一般誌/音楽誌でライターになった後も、やはり乗り物好きの本性は変わらず、気づけば自動車関連の仕事が中心に。30代はサーキット走行にのめり込み、ワンメイクレースにも参戦。愛車はマツダ・ロードスター。今の趣味はロードバイクと楽器演奏(ベース)。

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