【60台限定のオセリ仕様】デビッド・ブラウン・ミニ・リマスタードへ試乗 126psのAシリーズ
公開 : 2021.07.22 08:25 更新 : 2022.04.14 16:59
狩猟犬のようにカーブを縫っていく
サーキットに出れば、フロントタイヤの動きがミニのすべて、といった印象。クラシックなレーシング・ミニは、そんなものだったと思う。
アクセルやブレーキのペダルを踏んだ状態でコーナーへ侵入すると、オセリ・エディションの回頭性の良さに気がつく。頂点を過ぎパワーをかけていくと、粘着するように路面を掴む感触がステアリングホイールへ伝わる。
フロントタイヤが、果敢にミニを導く。リアタイヤは、その後ろでぶら下がっている感じ。4本のタイヤが、軽快にドリフトする。
超が付くほど俊敏で、悪くいえばスタビリティが低い。一般道でもわかるほど。最新のホットハッチでは許されない小気味よさで、狩猟犬のように次々とカーブを縫っていく。
ボディはとても小さく、ドライバーとのコミュニケーション力は秀逸。ミニ・リマスタードの挙動は、クルマにピタリと合っている。とても楽しい。
ステアリングホイールを回すほど、クルマの軽さを実感する。機敏といっても、ポルシェ911 GT3ではなく、トヨタGRヤリスの方に感覚は近い。
レストモッド通なら、アルファホリックスが手掛けるGTA-Rほど洗練されてはいないと感じるかもしれない。でも、ここまでは楽しくない。しかも、GTA-Rより安い。
今回の試乗は短かったものの、過度な請求額ではないと思う。インテリアは非常に上質。サスペンションは、初期の動きがとても滑らかだ。
これ以上を望まない完成度
われわれは、ミニ・リマスタードが大好きだ。オセリ・エディションにも、同じ気持ち。
オリジナルのミニをベースに、デビッド・ブラウンの技術者が1200時間を費やして仕上げる。オーナーの好みに合わせて、自由な仕様で仕立てることもできる。余裕があれば、ゆっくり考えるのもイイだろう。
しかし、仕様を煮詰められる時間やエネルギーを、誰しもが持っているわけではない。本当に素晴らしいミニ・リマスタードが欲しいなら、コーディーネートされたオセリ・エディションを選ぶのも悪くない。筆者のような皮肉好きでも、惹かれてしまう。
筆者は先日、ポルシェに乗って24kmほどのドライブを一般道で楽しんだ。それを踏まえて、ミニ・リマスタードのオセリ・エディションなら、これ以上を望まない完成度だと感じた。
デビッド・ブラウン・ミニ・リマスタード・オセリ・エディション(英国仕様)のスペック
価格:9万8000ポンド(1509万円)
全長:3050mm
全幅:1470mm
全高:1330mm
最高速度:161km/h
0-100km/h加速:7.8秒
燃費:−
CO2排出量:−
乾燥重量:780kg(予想)
パワートレイン:直列4気筒1450cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:126ps/6200rpm
最大トルク:15.5kg-m/4500rpm
ギアボックス:5速マニュアル