【992型GT3のベスト】ポルシェ911 GT3ツーリングへ試乗 深く記憶に刻まれる 前編
公開 : 2021.07.17 08:25
991以上にサーキット寄りの性格付け
ホイールは軽量な鍛造成形。フロントが20インチ、リアが21インチで、タイヤはミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2が組まれる。
試乗車のホイールは、サテンネオジム仕上げが施され、非常に美しい。これは、842ポンド(13万円)のオプション。ホイールアーチとタイヤとのスタンスは、さすがポルシェ、といった決まり具合だと思う。
サスペンションは、フロントが911では992型GT3が初採用となった、ダブルウイッシュボーン式。リアはマルチリンク式。後輪操舵も付く。ダンパーは、スポーツとトラックの2モードで可変する。
見た目の通り、991型のツーリングより992型のツーリングの方がハード。ツーリングという名前がぴったりなのか、少し疑問を抱かなくもない。少なくとも先代より搭載技術は優れており、RSほどではないが、サーキット寄りの性格付けになっている。
リアのサスペンション・ストロークは短く、日常域での乗り心地は容赦ない。フロントは、平坦ではない路面で鼻先が取られがち。幅の広いカップ2タイヤは、秀でたグリップ力とステアリングフィールを与えてくれるが、ロードノイズも大きい。
クイックさを増したステアリングは、本来の機敏な動きを引き出しやすくしてくれるが、時にはナーバスに感じることもある。ボディがワイドになったぶん、運転中の注意力も広く必要になる。
そんな注文を並べつつ、GT3ツーリングは明瞭に最高。シャープに回頭し、前後のタイヤ同士のまとまりも、息を呑むほど高い。1418kgと軽量な車重のおかげで、走行中は常に軽さがともにある。
この続きは後編にて。