【V8ハイブリッド採用】新型アストン マーティン・ヴァルハラ 市販モデル公開 AMG製パワートレイン

公開 : 2021.07.16 08:45

新しくもアストンらしいデザイン

この新型パワートレインを収めるのは、特注のカーボンファイバー製シャシーで、「最小限の重量ペナルティで最大限の剛性を実現」している。アストンは、目標乾燥重量を1550kgとすることで、「同クラスのライバルと比較して、他に類を見ないパワーウェイトレシオ」を実現すると述べている。

また、巨大なベンチュリートンネル、可動式のフロントスプリッターやリアウイングなど、エアロダイナミクスを向上させるボディワークにより、240km/hで600kgのダウンフォースを発生させることができるという。

アストン マーティン・ヴァルハラ
アストン マーティン・ヴァルハラ    アストン マーティン

サスペンションは、フロントにプッシュロッド式、リアにマルチリンク式を採用し、ダンパーとスプリングをインボードに配置することでバネ下重量を軽減。トラックモードでは「劇的」に車高を下げ、低速時には車高を上げて段差を乗り越えられる。

アストンのデザイナーは、ダウンフォースを強化するために繊細なボディワーク要素を使用することで、ヴァルキリーのようなアグレッシブなウィング、インテーク、アウトレットは必要とせず、全体的なシルエットを自由にデザインすることができた。

突出したルーフスクープ、前方に向かって傾斜したディヘドラルドア、丸みを帯びたリアデッキ、一体型のリアウイングはそのままに、フロント、リア、サイドのデザインを一新し、ヴァルキリーとは系統の異なるスーパーカーとなっている。

フロントエンドにはアストンの特徴的な形状のグリルが配置され、その上には大きく丸みを帯びたマトリクスLEDヘッドライトがあり、リアディフューザーは大幅にトーンダウンして、生産に適したセットアップになっている。

また、角ばったサイドスカート、シャープなサイドベント、そしてコンセプトにはなかったウィングミラーも装備されている。ホイールは、フロントが20インチ、リアが21インチで、ミシュランのパイロット・スポーツ・カップ・タイヤが装着されている。

価格は1億円前後か

チーフ・クリエイティブ・オフィサーのマレク・ライヒマンは、ヴァルハラがヴァルキリーとは異なる位置づけであることから、独自のデザインアプローチが必要になったと語っている。

「ヴァルハラのコンセプトを制作したとき、わたし達はアストン マーティン・ヴァルキリーのデザインレガシーを強調したいと考えていました。その意図は今も変わっていませんが、このまったく新しいクルマの生産に向けて、かなりの進化を遂げています」

アストン マーティン・ヴァルハラ
アストン マーティン・ヴァルハラ    アストン マーティン

「ヴァルキリーのレガシーは明らかですが、ヴァルハラは今、より成熟し、確固たるデザインになっています」

インテリアも同様であることが予想される。市販仕様のインテリアはまだ公開されていないが、ヴァルハラは「明確でシンプルなエルゴノミクスを採用し、ドライバーを中心に据えた、洗練されたコックピットデザイン」とされている。

ヴァルキリーよりも広々としており、アップル・カープレイとアンドロイド・オートを搭載したインフォテインメント・タッチスクリーン、デュアルゾーン・エアコン、リアビュー・カメラ、多数の運転支援機能などが追加され、一般道での信頼性を高めている。

アストンのF1ドライバーであるセバスチャン・ベッテルとランス・ストロールは、このクルマのダイナミックなパフォーマンスに関するフィードバックを行う予定だ。

価格や販売時期は未定だが、モアースはAUTOCARの取材に対し、以前から言われていた100万ポンド(約1億5000万円)という価格を下げたと語っている。

「わたし達は、スーパーカーとハイパーカーの中間に位置する、60万ポンド(9000万円)から70万ポンド(1億円)の価格帯のクルマが、市場のスイートスポットになると考えています。この価格であれば、2年間で約1000台を生産できると考えています」

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