【なぜ、2世代分の進化?】毛細管現象が変える、冬タイヤの性能 ブリヂストンの新ブリザック
公開 : 2021.07.16 18:15 更新 : 2021.07.17 14:35
ライフ性能の長さ タイヤ各社が重視
近年は、ユーザーがスタッドレスタイヤを買い替えるまでの期間が長くなってきたとブリヂストンは指摘している。
使用期間の最後の冬に、どれだけ性能を持続できているかは、安全面で大きなポイントとなるし、効きが長ければリピーターの獲得にも繋がる。
スタッドレスタイヤは、路面の細かな凹凸とタイヤを密着させてグリップを得るから、低温下の雪道・凍結路で柔らかさを保つゴムは不可欠。
一般的にゴムを柔らかくするにはオイルを用いるが、次第に抜けてゴムは硬化してしまう。
タイヤメーカーがスタッドレスのライフ性能を重視するようになってから、ゴムの性能維持、オイルのレシピ、その配合技術は各社の腕の見せ所となっている。
VRX3が「2世代分の進化を遂げた、新しい次元のブリザック」と紹介されるもう1つの理由がここにある。ライフ性能については、オイルの抜けにくさに加えて、発泡ゴム自体を硬くならないようにしており、開発の視点が一歩進んでいるのだ。
同社が開発したポリマー「ロングステイブルポリマー」がその技術的なトピック。これは、時間が経っても抜けにくく、ゴム分子とともに留まるような発想の新素材である。
柔らかさを維持することに直接繋がるから、VRX3の効き持ち性能の効果は、4年使用後でも実にVRX2の新品以上だとブリヂストンは胸を張る。
その性能を市販製品として発表するまでには、ナノレベルの分析の進歩と配合技術の生わざが組み合わさる必要があっただろう。
これ以外にも、トレッドパターンの設計思想を変えるなどして、冬タイヤに求められる性能を全方位で高めたとされるブリザックVRX3。
氷上をテスト走行する機会を得たので、ブレーキ性能やコーナリング性能などのインプレッションは改めてご報告したい。