【乗ってみな、飛ぶぞ】ハードコア・スポーツカー 10選 本能を呼び覚ます不滅の名車
公開 : 2021.07.18 06:05
2. ポルシェ911 GT3
ポルシェ911 GT3は、ハードコアへのフォーカス、サーキット走行への対応力、ハンドリングの素晴らしさ、ドライバーとの距離感、そしてパフォーマンスにより、絶対的な評価を得ているクルマだ。
モータースポーツを始めたばかりの人が、スピードや興奮に対する投資効果を最大化するためにはどのクルマを買えばいいのか、という質問に対する定番の回答となっている。唯一の難点は、最近では誰もがそのことを知っているため、非常に高い人気を誇っているということだ。
992世代のGT3は、見た目は以前よりも派手になったものの、紙面上ではその素晴らしさを特に大きくアピールするマシンではない。最高出力510psの4.0Lフラットシックスを搭載しているため、このクラスのマシンとしてはやや力不足の感があり、ポルシェ自身のラインナップにも、パワーや加速性能を謳う911が何台も存在する。
しかし、GT3ほどペース、グリップ、バランス、そして適切に配分された重量を兼ね備えたライバルはいない。また、衝撃的なラップタイムや、オールラウンドなダイナミクスと卓越したコントロール性も唯一無二と言っていい。
最新の992 GT3についての懸念点は、このモデルが公道での快適性よりも、むしろ意図的にサーキットカーとして位置づけられているように見えることだ。そのため、フラッグシップモデルの次期GT3 RSが発表される前から、その地位を占拠している。このように、GT3は991世代に比べて、総合的な完成度が低いと考えられる。
しかし、1999年に最初のGT3が登場して以来、4世代に渡って何度も改良を繰り返し、どんどん良くなってきていることも事実だ。GT3の派生モデルを含めると、英AUTOCAR編集部が主催する英国のベスト・ドライバーズカー・コンテストで4回も優勝している。ちなみに、30年以上の歴史の中で、2回以上受賞したスポーツカーは他にはない。
3. マクラーレン600LT
AUTOCARの常連読者は、2018年の英国ベスト・ドライバーズカーに輝いたマクラーレン600LTがこのリストの3位に滑り込んできたことに多少の驚きを覚えるかもしれない。
誤解のないように言っておくと、マクラーレンは直感的で魅力的、美しくバランスのとれたハードコア・スポーツカーであり、公道でもサーキットでも気品ある働きをする。しかし、英AUTOCAR編集部は現行の911 GT3と765LTを極めて高く評価している。
600LTは、素晴らしい570Sをベースにしており、マクラーレン・オートモーティブが発表した3番目の「ロングテール」モデルである。パワーは30psアップして600psとなり、スプリングは大幅に硬く、ダンパーは再調整され、アグレッシブなボディワークにより走行時のダウンフォースがさらに大きくなっている。
また、サーキットで鍛えられた結果、余分なものも取り除かれている。最も軽い仕様(エアコンなし、ノーズリフトなし、ステレオなしなど)では、乾燥状態で1247kg(620Rよりも軽い)になる。
その結果、マクラーレンが得意とするスイートかつ正確な操縦性に加えて、これまで以上に速く、グリップ力があり、音も良いという、まさに特別なパッケージが完成したのだ。マクラーレンは最高の仕事をしている。