【乗ってみな、飛ぶぞ】ハードコア・スポーツカー 10選 本能を呼び覚ます不滅の名車
公開 : 2021.07.18 06:05
6. メルセデスAMG GTブラックシリーズ
メルセデスAMGの歴史上、どの市販車よりも多くのモータースポーツ技術を搭載した先代GT Rは、シュトゥットガルト近郊のライバルであるポルシェ911 GT3のゴールデンボーイに、アファルターバッハが一矢報いたモデルである。
このGT Rの存在は、いつの日か世界的に有名なライバルの影から抜け出し、同等の地位と評価を得られるスポーツカーメーカーになるというAMGの決意を物語っている。
そんなGT Rをさらに進化させたように見えるが、実際にはまったくの別物であるAMG GTブラックシリーズ。6代目となるブラックシリーズは、GT Rよりも35kg軽く、AMGのGT3マシンと共通のエアロノウハウをふんだんに盛り込んでおり(実際、レース用のエアロパッケージを開発した人物がこのモデルを手がけている)、ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJを抑えてニュルブルクリンクのラップレコードを更新している。
AMGはツインターボV8を改良し、従来のクロスプレーン型からフラットプレーン型に変更し、出力を730psに高めた。サスペンションやインテリアもレース仕様になっている。
編集部のマット・プライヤーは、「狂ったようにブラックシリーズを運転して、そのプロセスに関与し、絆を感じ、最後にはフル装備のGT3レースカーよりも5秒ほど遅いラップタイムを記録することができる」と評価している。
7. ランボルギーニ・ ウラカン・ペルフォルマンテ
つい最近まで、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェ・サーキットを周回する史上最速の量産車だったランボルギーニ・ウラカン・ペルフォルマンテは、AUTOCARが行ってきた数々のロードテストの中でも最速のクルマの1つでもある。
これは、最高出力640ps、超軽量、4輪駆動のランボが、マクラーレンP1、ポルシェ918スパイダー、ブガッティ・ヴェイロン・スーパースポーツよりも速いということだ。このクルマの自然吸気V10エンジンが8000rpmを超えたときの、恐ろしいほどの血気盛んな咆哮や、ツインクラッチ・トランスミッションのシフトアップ時の獰猛さには、ただひたすらに心を揺さぶられるだろう。
ターボを搭載したクルマが増えている今、ウラカンの鋭いエンジンは本当に受け入れられ、味わうべきものだと思う。しかし、驚くほどほど素晴らしいピレリ・トロフェオRタイヤが温まったときに得られるハンドリングのバランスにより、パワートレインの真の輝きに手を触れることができるのだ。
ウラカンには、他の追随を許さないスーパーカーとしての存在感と空気感、そして血の通った魂がある。欲望の対象としてのウラカンの魅力は多面的であり、これほど美しいカーボンファイバーは世界のどこにも見当たらない。ドライバーズカーとしては、スロットルオンでの落ち着きや、クルマとの対話性がやや欠けているだけだ。