【原付自転車が自転車に】違法走行目立つ電動キックボード/バイク 国が認めた「モビチェン」とは?

公開 : 2021.07.24 05:45  更新 : 2021.07.24 10:46

免許不要? 海外の電動キックボード事情

警察庁が各国の電動キックボードの法制度について調べた。

それによると、ヘルメットの着用義務については、英国、フランス(都市部)、ドイツは推奨はするが義務化せず。

フランス都市部の電動キックボード
フランス都市部の電動キックボード    シャッターストック

また、韓国は着用は義務化し、イタリアは18歳以下のみ義務化。

次に、運転免許については、フランス、ドイツ、イタリアが不要で、英国と韓国が必要。

また、免許不要の場合、年齢制限はフランスが12歳、ドイツとイタリアが14歳とした。

最高走行速度は、英国が25km/h以下、フランスが6km/h以上25km/h未満、ドイツが20km/h以下、イタリアが25km/h以下で、歩行者区域を走行時には6km/hに制御、そして韓国が25km/h以下である。

さらに、走行場所については、英国とフランスが車道と自転車レーン、ドイツは車道と自転車のほかに自転車専用通行帯や路側帯など、そしてイタリアが車道と自転車レーン(市街地)に加えて自転車が通行可能な歩行車専用エリアとなっている。

このように、電動キックボードに対する法解釈は各国の道路状況や社会通念によってかなりの違いがあるのが実情だ。

さて、電動キックボード以外の乗り物で、日本が新たに規制緩和された乗り物用の装置にいま、注目が集まっている。

それが「モビチェン」である。

合法? 車両区分を変える「モビチェン」

「モビチェン(モビリティ・カテゴリー・チェンジャー)」とは、原動機付自転車から自転車への切り替えを認めるための装置だ。

警察庁が2021年6月28日付けで「車両区分を変化させることができるモビリティ」に対する通達を発出したことで、モビチェンは公的に認められた。

原動機付自転車から自転車への切り替えのための装置
原動機付自転車から自転車への切り替えのための装置    グラフィット

こうした事例は日本で初めてである。

ベンチャー企業のグラフィット(本社:和歌山県和歌山市)が開発した。

どういう装置かといえば、車体後部にあるナンバープレートの上に、自転車の図柄を入った折り畳み式のプレートが覆い被さる仕組みだ。

法対応と安全性確保のため、電動バイクとしての電気スイッチをオフにした状態でないとモビチェンが作動しないなど、さまざまな工夫がなされている。

では、モビチェンのどこが画期的なのか?

それは、走行区分を変えることができる点だ。

これまで、ペダル付き電動機付自転車でペダルのみで走っていても、自転車専用道、または歩道の一部を自転車が通行できるエリアを走行できなかった。

利用者の立場からすれば、警察に対して臨機応変な対応を求めたいところだが、法的には車両区分を変えるという大きなハードルがあった。

グラフィットでは今後、モビチェンを自社製品に採用するのはもちろんだが、他メーカー含めて社会全体での普及を目指すという。

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