日産自動車、電力供給システム “LEAF to Home” を販売
2012.05.30
日産自動車はニチコン株式会社が開発した”EVパワーステーション”を活用して、日産リーフのバッテリーから電力供給するシステム “LEAF to Home” の販売を開始した。
電気自動車の大容量バッテリーに貯めた電気を一般住宅の分電盤に接続して活用するシステムは世界初となる。日産はこのシステムを日産販売会社ショールームに順次設置し、EVを活用した効率的な電力マネジメントを推進していく。
ニチコンが開発した”EVパワーステーション”は、一般住宅の分電盤に直接接続し、コネクターを日産リーフの急速充電ポートへ繋ぐことで、日産リーフに搭載している駆動用の大容量リチウムイオンバッテリーに蓄えた電気を住宅へ供給することが可能となるもの。サイズは一般的なエアコンの室外機程度で、屋外への設置も可能。コネクターはグローバルに使用実績があり、汎用性や安全性、信頼性の高いCHAdeMO方式で採用されているもので、JARIのJEVS G105規格に準拠している。操作は液晶タッチパネルで行い、タイマー予約など使用シーンにあわせた各種動作モードを搭載、家庭の電力容量と消費電力に応じた供給調整を自動で行うという。
また、このシステムは日産リーフから電力を供給するだけではなく、従来の普通充電時間の半分となる最短4時間で満充電を行うことができるようになるという。
価格については、経済産業省の充電器等に対する補助金制度が適用された場合に、標準的な設置工事費用を含んだ実質的な負担額が消費税込み33万円(税抜き30万円)程度となる予定。6月中旬より、日産販売会社を通じて本システムを購入することができる。
このシステムを活用する “LEAF to Home” は、夜間電力や太陽光発電を使って日産リーフに充電し、蓄えた電気を日中の電力需要が高まる時間帯に使用することで、家庭への安定した電力供給や電力消費のピークシフトに貢献する。また、停電時や非常時などには、バックアップ電源としての活用が可能になる。加えて、料金の安い夜間電力を日中に活用することで、電気料金の節減も期待できます。日産リーフのバッテリー蓄電能力は24kWhと大容量であるため、満充電時には一般家庭の約2日分の日常使用電力を賄うことができることとなる。これにより、走行中はもちろんのこと、駐車中には蓄電池として、EVならではの付加価値が利用できるというもの。