【砂丘を走るスポーツカー】新型ゲンバラ・マーシャン ポルシェベースのオフロード車 40台限定
公開 : 2021.07.20 06:45
911ターボSをオフロード仕様にチューニングした限定モデルが登場。フラット6から750psを発揮します。
「火星人」襲来
マルク・フィリップ・ゲンバラ(チューニン会社ゲンバラの創業者である故ウーヴェの息子)が製作する、オフロード対応の野心的なスーパーカーが発表された。今年後半に生産が開始される予定だ。
最新のポルシェ911ターボSをベースにした新型マーシャン(Marsien)の名前は、フランス語で「火星人」を意味し、開発の舞台となったUAEの砂漠にある火星のような砂丘をイメージしている。
チューナーのルーフ(RUF)が6気筒エンジンの出力を750ps、トルクを94kg-mに向上させ、0-100km/h加速2.6秒、最高速度330km/hに達する。
さらに、ターボチャージャーの強化、エンジンマッピングの見直し、トランスミッションの変更などにより、出力を830psに向上させる「セカンド・ステージ」アップグレードも用意されている。
ゲンバラによれば、このエンジンは最新のユーロ6排出ガス規制に適合しているとのこと。
足回りはオン・オフに対応
かつて「プロジェクト・サンドボックス」と呼ばれていたこのベース車両は、起伏の多い地形にも対応できるよう、数々の抜本的な変更が施されている。
サスペンションは、KWオートモーティブ社の特注品で、ソリッド・ピストン・ダンパーと「インテリジェント・アクティブ・ダンパー・コントロール」を採用したダブルウィッシュボーンをフロントに装備している。グランドクリアランスは、「ロードモード」では120mm、「オフロードモード」では250mmまで上げることができる。
ダンパーは20ミリ秒で状況に応じて反応するという。また、ポルシェがすでに提供しているロード走行用のモードに加えて、グラベル、マッド、サンド、スノー用のドライビングモードが追加されている。
マーシャンには、センターロック付きの鍛造アルミホイールと、ミシュランのウルトラ・ハイパフォーマンス・タイヤおよびオールテレーン・タイヤが装着されている。
また、オフロード走行に重点を置きたいユーザー向けに、ライガーサスペンションとラリーダンパーを装備したオプションパッケージが用意されており、標準仕様よりもさらにサスペンショントラベルとグランドクリアランスが拡大される。
40台限定、価格は?
その他のアップグレードとしては、F1チームにも供給されているカーボンファイバー製ボディがある。専用のチタン製エグゾースト、4輪に安定してパワーを供給できるように改良されたトランスミッションのほか、高速走行時の効率と安全性を確保するためにCFD(流体力学)ソフトウェアを用いて空力性能を最適化したボディワークなども特徴的だ。
インテリアは、カーボンファイバー製のセンターコンソールに合わせて、フルレザーまたはアルカンターラのインテリアトリムを選択できる。ゲンバラは、「フルカスタマイズ」が可能であると述べており、予算の許す限り豪華なキャビンを指定できるようだ。
価格は49万5000ユーロ(約6380万円)から。
マーシャンは現在、欧州、中東、米国市場向けにホモロゲーションを取得中で、生産台数は40台に限定されている。40台のうち、10台の初期限定モデルはすでに販売されており、残りの30台についても半数以上が販売されているという。