【残念?当然?】開発が中止されたクルマ 53選 前編 愛されなかった乗り物たち
公開 : 2021.07.22 10:05
メルセデス・ベンツ600クーペ(1965年)
メルセデス・ベンツ600は、主に運転手付きの顧客を対象としていた。今度はこれの2ドアバージョンを出すことで、個人向け高級車市場のトップエンドを狙った。600クーペの外観は、ドアを除けば標準モデルとほぼ同じであるが、前輪の後ろに2つのエアベントが追加されていた。
しかし、メルセデスは他のプロジェクトにリソースを割くことを選び、600クーペはプロトタイプにとどまった。唯一、個人のコレクションに保管されている個体が現存し、非常に貴重なものであると思われる。
フォード・マスタング・シューティングブレーク(1965年)
フォードの広告代理店であるJ・ウォルター・トンプソンに勤務していたバーニー・クラークは、デザイナーのロバート・カンバーフォード、自動車愛好家のジム・リカタと協力して、1965年のフォード・マスタングをベースにしたシューティングブレークを製作した。
イタリアのインターメカニカ社に製作を依頼し、ボトムヒンジ式のテールゲート、開閉可能なリアウィンドウ、燃料給油口の移設、折りたたみ式のリアシートなどを備えたクルマが完成した。
彼らはこのクルマをフォードに提案したが、フォードはマスタングの開発時にすでにこのアイデアを検討していたため、答えは「ノー」だった。
フォード・コムタ(1967年)
1967年に発表されたコムタは、都市部での通勤に適した未来のクルマ、つまりEVだった。40km/hの速度で60km以上走行可能で、全長は従来のクルマの約半分、2+2のシティカーとしては見事なまでにコンパクトで、軽快で駐車も簡単だった。
本格的な生産の可能性よりも実験的な意味合いが強く、フォードは2台のコムタを製造し、そのうちの1台は現在、ロンドンの科学博物館に展示されている。
アウディ100カブリオ(1969年)
アウディは1968年にセダンの100を発売し、1970年には2ドアクーペもリリースした。この2台の間に、1969年のフランクフルト・モーターショーで発表されたのは、カルマンが開発した2ドアのコンバーチブルだった。
カルマンはすでにフォルクスワーゲンと提携しており、ビートルをベースにしたカルマン・ギアを製造していたが、残念ながらアウディとの提携はなく、ドロップトップの100は生まれなかった。結局、1992年の80ベースのカブリオレまで、アウディのコンバーチブルは存在しなかったのである。