【残念?当然?】開発が中止されたクルマ 53選 後編 愛されなかった乗り物たち

公開 : 2021.07.22 10:25

ローバー75クーペ(2004年)

MGローバーが資金面で実現できなかったプロジェクトの1つに、75クーペがある。プレス写真ではガラスがかなりスモークされているが、これは間違いなく走行可能な車両であり、インテリアも完備されているはずだ。

2005年にMGローバーが倒産するまで、75クーペはたった1台しか製造されなかった。その後、少なくとも1台の75クーペが愛好家によって製作され(写真)、他にも製作中のものがある。

ローバー75クーペ
ローバー75クーペ

MG GT(2004年)

MGローバーが消滅する前年の2004年に発表された3台のプロトタイプのうち、MG GTは、MG TFに2.5L KV6エンジンをミドマウントしたものである。最高出力203psを誇るGTは、最高速度233km/h、0-97km/h加速を6秒以下で達成できると謳われた。

MGローバーの解散後、MG TFは再び生産されることになったが、ソフトトップ仕様のみで、GTプロトタイプは1台しか作られなかった。

MG GT
MG GT

フォルクスワーゲンGX-3(2006年)

2006年のロサンゼルス・モーターショーでフォルクスワーゲンが発表したGX-3は、単なるショーカーだと思われていたが、超保守的な同社はこのクルマの生産を真剣に検討していた。

ホットハッチバックのルポGTi譲りの1.6Lエンジンを搭載し、0-100km/h加速は5.7秒、最高速度は200km/hだったが、訴訟問題が発生してプロジェクトは頓挫した。

フォルクスワーゲンGX-3
フォルクスワーゲンGX-3

サーブスバル製クロスオーバー(2006年)

GMは1999年から2005年にかけて、当時の富士重工業の株式を20.4%保有していた。スバルとの提携は、スバルの生産台数を増やしつつ、サーブのラインナップを拡充するチャンスと捉えられていた。

2004年にはインプレッサをベースにした9-2Xを発売し、B9トライベッカをベースにしたSUVの9-6Xを計画していた。サーブのミュージアムには量産前のプロトタイプが展示されている。

サーブのスバル製クロスオーバー
サーブのスバル製クロスオーバー

9-6Xは、サーブ特有の顔つきをしているが、日本的な遺伝子を隠しきれていない。2005年にGMが富士重工業の株式を売却したことで、このプロジェクトは中止となった。また、スバルは2008年にトライベッカのフェイスリフトを行った際に、9-6Xのスタイリングを多く取り入れている。

キアの米国向けピックアップトラック(2008年)

キアは2008年に、モノコックボディを用いたライフスタイル志向のピックアップトラックの開発を承認した。

当時の報道では、2009年に発売された2代目ソレント(写真)と同じプラットフォームを採用し、ジョージア州ウエストポイントにある自社工場で生産するとされていた。発売されれば、ホンダ・リッジラインと同じニッチ市場で競争することになる。

キア・ソレント
キア・ソレント

しかしキアは、原油価格の高騰に伴って同市場が縮小しているとして、このピックアップを中止した。「今はこのトラックを生産するのに適した時期ではない」というのが当時の説明だった。

以来、ピックアップトラックを再開発することはなかったが、親会社のヒュンダイは、サンタクルーズ・コンセプトにインスパイアされたモノコックのトラックを2021年にリリースする。

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