【V8スーチャーで545ps】ランドローバー・ディフェンダー90 V8へ試乗 シャープでタイトに

公開 : 2021.08.04 08:25

スーパーチャージドV8を搭載した、異端児のディフェンダーが登場。過剰なパワーに悪い燃費で賢明とはいえないものの、それが魅力ともいえそうです。

V8エンジンを搭載しシャシーも再調整

text:Matt Prior(マット・プライヤー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
ランドローバーは初期のディフェンダー、1979年のシリーズIIIへV8エンジンを搭載した過去がある。また1972年の軍用トラック、101フォワード・コントロールにもV8が載っていた。

だが、特別仕様を除いて1990年以降、ランドローバー・ディフェンダーにはV8エンジンが搭載されていなかった。ちなみに、過去の搭載エンジンをすべて確認しだすと、その複雑さに時間が奪われてしまうからご注意を。

ランドローバー・ディフェンダー90 V8(英国仕様)
ランドローバー・ディフェンダー90 V8(英国仕様)

それはさておき、新しいディフェンダーにV8エンジンが帰ってきた。ユニットとしては、ランドローバーが別のモデルで展開しているものと同じ、5.0LのスーパーチャージドV8だ。

ユーザーの住む地域の税金体制や、手頃に入手できるエネルギー源で変わるとは思うが、最も賢明ではないディフェンダーといえるかもしれない。しかし、V8エンジンを望む人は少なくなかったのだろう。

最もパワフルなディフェンダーは、ランドローバーのSVO、スペシャル・ビークル・オペレーションズ仕様ではない。通常のカタログモデルとして加わる。そして、そう遠くない未来にV8エンジンのディフェンダーは新車で買えなくなる。恐らく、永遠に。

SVO仕様ではないもののmシャシーは既存のガソリンエンジン版から大幅に手が加えられた。サスペンションが見直され、ボディの動きをタイトにする新しいアンチロールバーが組まれた。より正確な操縦性も獲得している。

すぐにわかるタイトさとシャープさ

8速ATとローレンジ・トランスファーはそのまま。電子制御のリミテッドスリップ・デフは標準装備された。コーナー内側のタイヤへブレーキをかけ、旋回性を高めるトルクベクタリング機能も備わる。

ボディは今回試乗した90の他に、ロングホイールベース版の110も用意される。今回の試乗では、短時間ながら110 V8もオンロードで運転させてもらった。筆者としては短い90の方が、V8エンジンの性格に適していると感じた。

ランドローバー・ディフェンダー90 V8(英国仕様)
ランドローバー・ディフェンダー90 V8(英国仕様)

ディフェンダーV8として、見た目ではエンブレムの他に青く塗られたブレーキキャリパーと、22インチの大径アルミホイールにオールシーズン・タイヤが組まれることが特徴。無料オプションで、20インチにダウンしてオフロードタイヤも組める。

インテリアは、全体的にダークカラーでコーディネートされる。ダッシュボードとステアリングホイールのスポークは、粒子の荒いマットブラックに塗られる。ステアリングのリムとシートは、スエード調の素材で仕立てられる。

それでも大きなガラスエリアは変わらない。従来どおり、とても開放的な車内だ。

筆者は先日、PHEV版のディフェンダー110に乗ったばかり。ステアリングホイールを半分も回せば、ディフェンダー90 V8がタイトでシャープだと実感できる。

引き締められたサスペンションのおかげだろう。22インチ・ホイールとオンロード用のタイヤの影響もあるはず。現代のクルマ全体の水準でいえば、リラックスした側にプロットされる。しかし、反応が良くなっていることは明らかだ。

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