【V8スーチャーで545ps】ランドローバー・ディフェンダー90 V8へ試乗 シャープでタイトに
公開 : 2021.08.04 08:25
最高出力は525ps、最大トルク63.6kg-m
テレインレスポンス・システムには、V8専用としてダイナミック・モードが追加された。サスペンションは通常より更に硬くなり、英国の道路環境では少し手に余る。コンフォート・モードが、最も快適に姿勢を保ってくれるようだ。
ランドローバーの技術者によれば、V8をディフェンダーで最高のオフローダーにする意図はなかったというが、結果的にはかなり条件へ合っているという。
特に岩場をクロールするような場面では、簡単に引き出せる大きなトルクが有用。急な勾配などでも、トルクが活きる場面は多いためだ。ディフェンダーV8の最高出力は525ps、最大トルクは2500rpmで63.6kg-mを発揮する。
走行時の質感も、既存のディフェンダーとは異なる。ランドローバーの開発センターがある、イーストナー城周辺の濡れた地面を走らせると、ゆったりとしたタイヤの動きと、豊かなアクセルペダルの操作感、ドロドロと落ち着いたサウンドに包まれる。
奇妙なことに、チーフテン戦車と同じような印象を受けた。
速度を高めるほど、レスポンスが高まっていく。芝生で覆われた丘を越えると、ラリーマシンのような印象が強まる。ホイールトラベルは長く、ジャンプするような場面でも見事にボディは制御されている。
ターンイン時は、リアブレーキを調整しながらノーズを引き込める。タイトコーナーの出口ではデフをロックさせながら、ストレート目掛けてラインを整えられる。
賢明でなくても素晴らしいランドローバー
ディフェンダー90 V8は、舗装路でも滑らか。洗練されていて非常に速い。V8エンジンを載せた、高速なレンジローバーほど物々しいサウンドは鳴らさない。SVOではないから、アフターファイヤーの破裂音が鳴ることもない。
もちろん、燃費はかなり悪い。試乗時の平均は、7.4km/Lくらいだった。スーパーチャージャーを唸らせて、6km/L代に割り込ませることも難しくない。
オプションを乗せれば、簡単に英国価格10万ポンド(1540万円)を越えるディフェンダー90 V8は、賢明なチョイスとはいえないだろう。しかし筆者は、素晴らしいランドローバーだとも思う。
ランドローバー・ディフェンダー90 V8(英国仕様)のスペック
価格:9万8575ポンド(1518万円)
全長:4323mm
全幅:1996mm
全高:1974mm
最高速度:233km/h
0-100km/h加速:4.9秒
燃費:6.8km/L
CO2排出量:330g/km
車両重量:2546kg
パワートレイン:V型8気筒5000ccスーパーチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:525ps/6000-6500rpm
最大トルク:63.6kg-m/2500-5500rpm
ギアボックス:8速オートマティック