【忘れられない味わい】アストン マーティンV8/ヴァンテージ 英国版クラシック・ガイド 前編
公開 : 2021.08.01 07:05
一度味わえば忘れられない運転体験
特別仕様のXパックやヴォランテ、ザガートといった特別なアストン マーティンなら、さらに高額な請求になる。購入するなら、レストア費用や仕上がった後の価値を考えて動きたい。すでに完全なレストアを受けたV8を購入した方が、適切な場合もある。
ボディは大きい。英国郊外の狭い道では、同年代のクラシックより幅が広いことは忘れないでおきたい。
アストン マーティンV8のドライビング体験は、一度味わえば忘れられないもの。簡単に引き出せる優れたパフォーマンスと、素晴らしいサウンドの中に身を置ける。乗り心地は快適で、ハンドリングも秀逸だ。
オーナーの意見を聞いてみる
レイモンド・メンジーズの友人で隣人、建築家のパトリック・グウィンはそれまで乗っていたDBSを手放し、1974年に新車でアストン マーティンV8を購入した。レイモンドもアストンマーティンのファンで、後にグウィンからこのV8を購入したそうだ。
大規模なレストアを経て、現在のオーナーはレイモンドの息子、ステファン。さらに、彼の息子へ受け継ぐ予定だという。「レストアされる前は、正直運転するのが嫌いでした。止まるかどうか、はっきりわからなかったのですから」
笑いながらレイモンドが話す。「今はずっと調子が良いです。運転するのが好きになりました」
「最初は恐る恐る乗っていましたが、実際は運転が簡単。アクセルペダルを踏み込めば、かなりのサウンドを響かせて、離陸するように加速するんです。レストアの内容は素晴らしいものでした」
「走行距離は7万2000km。ボディの腐食を直して再塗装し、インテリアも全面的に張り直してあります。ブレーキも、もちろんオーバーホール済みです」
英国で掘り出し物を発見
アストン マーティンV8 ヴォレランテ
登録:1979年 走行:14万7500km 価格:19万5000ポンド(3003万円)
執筆時に流通していたヴォレランテは7台。そのうち2台がMTだった。このV8 ヴォレランテは英国仕様で、ウェーバーキャブが載っている。オリジナルのままで、素晴らしい状態を保つために惜しみない出費を受けてきた。
ブリティッシュ・レーシンググリーンのボディにタンのレザー内装が組み合わされ、カーペットとソフトトップはグリーン。売り手によれば、ボディと同じくらい内側も状態が良いという。
アストン マーティンV8 S3
登録:1974年 走行:5000+12万8000km 価格:18万5000ポンド(2849万円)
カナダへ輸出されたMTのV8で、2012年に英国へ戻ってきた。2017年に現在のオーナーが購入後は、述べ6万ポンドをかけてリフレッシュを重ねてきたという。
オリジナルのケンブリッジ・ブルーへ塗装し直され、欧州仕様のスリムなバンパーへ交換。GKN社製のアルミホイールも美しく修正を受けている。インテリアは、ブラックのコノリーレザーで仕立て直された。
エンジンからは、北米の排出ガス規制に対応させる部品が取り除かれている。オドメーターは交換済み。クラッチ交換をすれば、すぐに楽しめるという。
中古車購入時の注意点などは後編にて。