【詳細データテスト】ロータス・エキシージ 柔軟な加速 魔法のようなハンドリング 生産終了が残念
公開 : 2021.07.31 20:25 更新 : 2021.08.02 04:36
意匠と技術 ★★★★★★★★★☆
エキシージのファイナルエディションは、3つのバリエーションが用意される。スポーツ390とスポーツ420、そしてカップ430だ。いずれも押し出しアルミ材を接着して組み立てたお馴染みの軽量モノコックと、アルミ部材を用いた前後ダブルウィッシュボーンを用いるのは共通している。
ボディがコンポジット材パネルで構成され、サイズが小さいこともまた共通する。小柄なアルピーヌA110と比べても、より短く、幅は狭く、車高は低い。
3台の中で、もっとも公道走行向きなのが今回のスポーツ390だ。タイヤはいずれもミシュラン製だが、ほかの2台がセミスリックのパイロットスポーツ・カップ2を履くのに対し、パイロットスポーツ4を装着している。中級ホットハッチによくみられる銘柄だ。
ダンパーは3段切替式のナイトロン製ではなく、ビルシュタインの固定式で、アイバッハのスプリングと組み合わせる。スタビライザーも調整式ではなく、エアロパーツもほかのモデルより小ぶりなリアウイングを装着するなどトーンダウンしている。
ブレーキは全車共通で、APレーシングの6ポットキャリパーと鋳鉄ディスクの組み合わせ。1200kgに満たない車両重量を考えれば、カーボンセラミックディスクより好ましいチョイスだ。
ルーバーの切られたカバーを開けると、2012年以来使い続けるトヨタ製3456ccV6が姿を現す。大型のエデルブロック製スーパーチャージャーと吸気クーラーが装着される点も含め、基本構成は3モデルとも同様だ。
かつてラインナップされていた350ps仕様のスポーツ350に対し、スポーツ390は397psを発生する。このパワーアップの要因は、2.5インチから3インチへ径が拡大された排気系にある。
ファイナルエディションはMTのみの設定で、構造の一部が露出した変速系メカニズムを搭載する。ギアボックスの先にLSDは装着されていないが、これはエヴォーラでもそういう仕様が存在する。左右輪へのトルク配分は、ESPとトラクションコントロールのシステムを用いたブレーキ制御で調整する。