ポルシェ・パナメーラ・ディーゼル
公開 : 2014.03.26 22:40 更新 : 2017.05.29 19:05
■どんなクルマ?
ポルシェはパナメーラ・ディーゼルに関してはあまり熱心ではないように思える。従来のモデルから受け継いだ3.0ℓV6ユニットについても、可動パーツのいくつかに修正を加えただけのようだ。パワーは300ps、トルクは66.2kg-mで、8速のオートマティック・トランスミッションと組み合わせられている。修正されたのは、クランクシャフトとピストン、そして水冷式のターボチャージャーは0.5barほどブースト圧を上げられている。
■どんな感じ?
多少のエンジンのか改良の結果、0-100km/h加速は1秒ほど短縮された。事実、ドライブしてみてそれは実感できる。スタンディング・スタートから2t近いボディを加速させるのだが、その時間は短い。というのも、故意に最初の4つのギアのレシオを低くセッティングしているからだろう。
またトルク・バンドは1750-2500rpmとスペック的には広くはないが、実際には4000rpmまで充分なトルクを発生してくれる。また、そのエンジン・サウンドも改良されている。
問題なのはエンジンよりもその8速オートマティック・トランスミッションにあると感じた。デュアル・クラッチのPDKとは異なるティプトロニックの反応は、今となってはさすがに遅いと感じるものだ。幸いにも、スポーツ・モードを選択すれば、V6のパワーをうまく引き出してくれるのだが、通常モードでは不満を感じる。
シャシーについては、そのパワーを吸収するのに充分なもの。パナメーラ・ディーゼルは標準でトルク・ベクタリング・プラスを装備し、前後のアンチロールバーをやや堅くしているため、ガソリン・モデルと遜色ない走りが味わえる。可変サスペンションであるPAMSについては、最もスポーティなセッティングよりもデフォルトのコンフォート・モードのほうが心地よかった。
■「買い」か?
パナメーラの最大の魅力は、B級国道を飛ばすことではなく、トランスコンティネンタルとしての能力であり、それが最大の購入理由となる。そういった意味においては、15.6km/ℓという燃費は魅力的だ。確かにBMWとアウディは、パナメーラ・ディーゼルの£65,269(1,100万円)よりも安い価格のライバル・モデルをラインナップしている。その点からすれば、パナメーラはライバル達の正当な競争相手とはならないだろう。しかし、熱心なポルシェ・ファンにとっては捨てがたい1台でもあるのだ。
(ニック・カケット)
ポルシェ・パナメーラ・ディーゼル
価格 | £65,269(1,100万円) |
最高速度 | 243km/h |
0-100km/h加速 | 6.0秒 |
燃費 | 15.6km/ℓ |
CO2排出量 | 169g/km |
乾燥重量 | 1990kg |
エンジン | V型6気筒2967ccターボ・ディーゼル |
最高出力 | 300ps/4000rpm |
最大トルク | 66.2kg-m/1750-2500rpm |
ギアボックス | 8速オートマティック |
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