キア・スポルテージ2.0 CRDI KX-4
公開 : 2014.03.26 21:50 更新 : 2021.03.05 21:37
■どんなクルマ?
キア・スポルテージがフェイスリフトされた。ここ数年、英国そしてヨーロッパで成功を収めているモデルである。英国ではキアのセールスの1/4以上がこのスポルテージなのだ。
確かにハンサムなルックスを与えられたフェイスリフトであるが、重要なのはその中身だ。熱心な読者は、今年初めのグループ・テストに於いて、日産キャシュカイにそのぐらいの差を付けられたかを覚えているはずだ。少なくとも、洗練さ、品質、ダイナミックといった項目で、ことごとくキャシュカイの後塵を拝したのだった。
キアはその対抗策として、スロバキアで生産されるこのクロスオーバーに、新しいプラスティック製のインテリア・トリム、新しいオーディオ・システム、新しいシートカバーを付けたインストルメント・パックなどを装備してきた。また、厚いウインド・スクリーン、可変アシストのステアリング・ラック、フロント・サブフレーム・ブッシュ、ダンパー、アンチロールバー、非対処のドライブシャフトと、トランスミッションなどを更新したのである。
■どんな感じ?
新しいスポルテージは、確かにメカニカル面が洗練された。公平な比較ではないが、数カ月前に乗った1.7CRDIよりも、今回試乗した2.0CRDIのほうが、遥かにマナーが良かった。また、エンジンとサスペンション・ノイズも大幅に軽減されている。しかし、そのレベルはクラス・トップの日産のレベルにまでは追いついていないのも現実だ。
キャビンはアップデートされたことよって、そのフィニッシュやクオリティは拡大にアップしている。しかし、シートはフラットだし、ヘッド・クリアランスも期待はずれのままだ。ブート・スペースは大きい。これは、スポルテージが通常の5ドア・モデルよりも有利な点だ。
184psのエンジンを搭載したフラッグシップ・モデルは、充分に速い。しかし、スポーティとは呼べるレベルのものではない。
残念なのは、45km/hより上の速度で60:40の固定となる4WDシステムだ。例え、50:50にロックしても、その速度を超えると、自動的にキャンセルされてしまう。結局、FWD的な味わいになってしまうのだ。また、われわれのテスト車両は。フレックス・ステアシステムが装備されていなかったが、それはまずまずのフィーリングであった。しかし、それほど確かなフィードバックを与えてくれるものではなかった。
スポルテージは、サイズ的にも大きく、それがライバルに対して扱いづらさとなっている。確かに快適で、軽やかであり、充分に楽しいクルマではあるが、それは一元的に、という注釈が付く。
言い換えれば、キア・スポルテージは、もはやダイナミックなベンチマークにはならないということでもある。
■「買い」か?
£29,495(498万円)という価格はBMW X3やレンジローバー・イヴォークとそう大きく変わるものではない。グレードの低いモデルであれば、まだ説得力がありそうなものだが、この2.0 CRDIにどれだけの競争力があるかは不明だ。
(マット・ソーンダース)
キア・スポルテージ2.0 CRDI KX-4
価格 | £29,495(498万円) |
最高速度 | 197km/h |
0-100km/h加速 | 9.8秒 |
燃費 | 14.1km/ℓ |
CO2排出量 | 187g/km |
乾燥重量 | 1601kg |
エンジン | 直列4気筒1995ccターボ・ディーゼル |
最高出力 | 184ps/4000rpm |
最大トルク | 40.0kg-m/1800-2500rpm |
ギアボックス | 6速オートマティック |