【V12は生き残れない】ランボルギーニ社長 電動化と新モデルを語る 新時代の立ち回り
公開 : 2021.07.28 19:45
ランボルギーニの社長にインタビュー。ブランドの個性、V12ハイブリッド、新型GTカーについて聞きました。
変革の時代をどう生き抜くのか
約10年に渡り販売されてきたランボルギーニ・アヴェンタドールの引退が発表された。最終モデルとなるウルティマエ・エディションは、1964年の350GTから続くV12エンジン最後の非電動モデルとなる。
2023年に発売されるアヴェンタドールの後継モデルは、引き続き12気筒エンジンを搭載するが、プラグイン・ハイブリッドへの大移行を行う。今後数年のうちに、4人乗りの新型EVをはじめとする多くの電動モデルが販売されることになる。
英AUTOCAR編集部は、ランボルギーニのステファン・ヴィンケルマン社長にインタビューし、この変革の時代にブランドをどのように導いていくのかを聞いた。
サウンドと歴史は生き続ける
――ランボルギーニのV12が電動化されることについて、どのように感じていますか?
「さまざまな感情が伴います。また、非常に個人的な思い入れもあります。アヴェンタドールは、わたしもかなり初期の頃から携わったクルマでした。このクルマの開発は2007年にスタートしましたから、アヴェンタドールとは特別な関係にあります」
「アヴェンタドールは、当社がこれまでに生産したV12モデルの中で最も成功したクルマであり、素晴らしいバリエーションがたくさんあります。手放すのは難しいのですが、ウルティマエが最後の1台になると思います。とても特別なものなのです。限定モデルですから、お客様にも喜んでいただけると思います」
――これは1つの時代の終わりなのでしょうか?
「わたしは時代では語りません。当社は、自動車ビジネスの進化の過程を経て、今、革命を起こしているのです。これまでとはまったく違うものです。適応する能力を持たなければならないと思いますが、未来の成功のために最も重要なことです」
「以前よりも良い結果を残さなければならない。これはランボルギーニでのルールの1つです。すべての世代が、前の世代よりも優れていなければなりません」
「CO2排出量という点では重要な変化ですが、当社はうまくいくと確信しています。アヴェンタドールに続くプラグイン・ハイブリッド車にはV12エンジンが搭載されますので、サウンドと歴史は生き続けるでしょう」
アヴェンタドールの成功を基盤に
――PHEVスーパーカーでは、ドライバーは重量が増えたことに気づくでしょうか?
「重量の話をするならば、パワーウェイトレシオの話をしなければなりません。また、セットアップ、ブレーキ、空力など、さまざまな要素が絡み合っています」
「最も重要なものの1つがパワーウェイトレシオで、これが大きくなれば、クルマの挙動も合わせなければなりません。これが非常にポジティブな効果を生み出してくれることは間違いありません」
――アヴェンタドールとは密接な関連性があるのでしょうか?
「アヴェンタドール以前のV12モデルは、すべてを合計してもアヴェンタドール単体の販売台数を下回っています。アヴェンタドールのサクセスストーリーは、さらなる発展のための良い出発点になると確信しています」
「なぜなら、当社には確固たる顧客基盤があり、次に来るものを楽しみにしている熱心なオーナーがいるからです」
――シアンのようにスーパーキャパシタを使うことはありますか?
「スーパーキャパシタは、当社の考えでは、排出ガスを削減するという将来のニーズを満たせないブリッジテクノロジーです」
「2023年から2024年にかけて、当社はすべての製品ラインナップをハイブリッド化し、2025年までにCO2排出量を最大50%削減します。コンデンサーではこれを実現できません。ハイブリッド化は良い解決策だと思います」