【チラ見せ】メルセデス版カングー「シタン/eシタン」日本導入ある?

公開 : 2021.07.30 05:45  更新 : 2021.07.30 10:37

近しい関係 メルセデスとルノー/日産

それにしても、なぜメルセデス・ベンツがルノー/日産/三菱と協業してLCVを販売しているのか?

時計の針を2010年代初頭まで戻してみよう。

メルセデス・ベンツ・シタン(現行)
メルセデス・ベンツ・シタン(現行)    メルセデス・ベンツ

当時、日産はゴーン体制による事業変革の真っ只中にいた。鳴り物入りで発売した大量生産型EVの「リーフ」ではルノーと車体や電動パワートレインの共通化を図るなど、ルノー/日産としての協業体制が強まっていった。

一方、日産としてはグローバルでのさらなる成長を狙い、新たなる仲間づくりを進めた。

それが、ダイムラーとの連携だ。

具体的には、スカイラインでメルセデス・ベンツの直列4気筒ターボエンジンを搭載モデルを設定。

日産の担当エンジニアが「制御システムなど、メーカーが違うとこれほど社内規定が違うことに驚いた」とエンジン移植の難しさを指摘した。

また、中近東、中南米、東南アジアなどを念頭に導入された、ピックアップトラックのメルセデス・ベンツXクラスも誕生した。

日産がタイで生産する「ナバラ」をベースだったが、市場からはメルセデス・ベンツのブランドイメージに対する反応は極めて厳しく、2年ほどで撤退する事態に陥っている。

そうした中で、2012年に登場したカングーをベースとしたシタンは欧州市場を中心に安定した需要を確保できたからこそ、今回の2代目登場へとつながった。

EV化? 鍵を握るはカングー/ベルランゴ愛好家

さて、メルセデス・ベンツは2021年7月22日、2030年までに全モデルEV化に向けた準備に入ったと表明した。

これに伴い、2022年から2030年までに総額40ビリオンユーロ(約5兆2000億円)もの研究開発費用をEV向けに一気に投入する。

ルノー・カングー
ルノー・カングー    ルノー

欧州では欧州委員会(EC)が2035年までに欧州域内で発売する新車100%EV化を達成目標に掲げており、ハイブリッド車すら販売できない状況となりそうだ。

こうした欧州での急激なEVシフトの波は日本にも影響を与えることは間違いなく、その中で世界自動車産業界のベンチマークであるメルセデスベンツが果たす役割はとても大きい。

とくに、LCVの電動化については日本でも企業での需要が高く、eシタンの日本市場導入の可能性は十分あるといえるだろう。

そうなってくると、カングーのEV化はもちろんのこと、ベルランゴEVについても乗用化の波が日本市場で広がる可能性が出てくる。

これまで、欧州LCV市場の動向について、日本のユーザーは遠い国での出来事として捉えてきたが、グローバルでのEVシフト加速という社会変化の中で、日本での状況は大きく
変わるのかもしれない。

その鍵を握っているのは、カングーやベルランゴの愛好家だと思う。日本市場の変化を、これからもしっかりと見ていきたい。

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