【車高調整サスにご注意】トヨタ・ランドクルーザー(J100系) 人気はディーゼル 英国版中古車ガイド
公開 : 2021.08.11 08:25 更新 : 2022.08.08 07:27
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ジュリアン・フェルカー:オーバーランド・クルーザー社代表
「経済性を求めてJ100のランドクルーザーを選ぶ人はいないでしょう。快適でパワフルで、頼りになる働き者です。適切に整備している限り、エンジンは長距離にも耐えます。しかし、トランスミッションとサスペンションは劣化します」
「サビとは無縁ではありません。特にサイドシルの裏側など。ひどい状態でない限り、購入を諦めるほどのことではないと思います」
「例えば、メカニズムの状態の良いJ100系を6000ポンド(92万円)で購入し、2000ポンド(30万円)でサビの修理やメンテナンスを施せば、10年乗れるSUVが完成します。合計費用は、8000ポンド(123万円)で済みます」
「選ぶなら、アップデートを受けたフェイスリフト後の方がベター。サビもそこまで進んではいないはずです」
不具合を起こしやすいポイント
エンジン
英国にはLPG仕様に改良されたV8ガソリン版があるが、避けたい。ディーゼルエンジンは、黒煙がひどいと車検に通らない。排気再循環バルブが機能しているか確認したい。
インジェクター・ポンプからの漏れは確認ポイント。ガソリン、ディーゼルともにタイミングベルト交換は、英国では16万km毎か、6年毎が指定されている。ウオーターポンプも一緒に交換したい。
エンジンオイルの交換は、9600km毎が指定されていた。ディーゼルエンジンは冷間時にノイズが大きいが、温まれば静かになるのが正常。
トランスミッション
フェイスリフト前のATでは、トルクコンバーターが不調になる場合がある。加速時にフロントアクスルからノイズが出る場合、CVジョイントの劣化が原因かも。
エアコンとパワーステアリング
エアコン・プーリーが摩耗し、ゴロゴロと回転ノイズを出すことがある。ドレインパイプの詰まりにも注意。サビにつながる。パワーステアリングのポンプは、フルードが滲んでいないかチェックする。
サスペンションとブレーキ
車高調整機能の動きを確かめる。激しく弾むような乗り心地の場合、不調の印。フロントだけ車高が低いのも、不具合が理由。
ハンドブレーキは、固着していないか確かめたい。ハブベアリングは3万2000km毎にグリースアップして、締め付け直す必要がある。
ボディとシャシー
リア側のサイドシルやホイールアーチ、テールゲートとヒンジ、テールゲートのロック機構まわりが錆びやすい。ボートやジェットスキーの運搬が原因で、ボディ後半が錆びている例も。オフロード走行でシャシー下側をぶつけていないかも確認したい。
インテリア
スイッチ類がすべて機能するか確認する。ECUの不調で、リアワイパーが動きっぱなしになることがある。オーナーの中には、アームを外してしまう人もいるようだ。