【ワンメイク・ラリーマシン】ボウラー・ディフェンダー・チャレンジレーサーへ試乗 前編
公開 : 2021.08.12 08:25 更新 : 2022.11.01 08:53
シャシーの電子制御システムも変更
スタビリティ・コントロールやヨー・コントロールも、無効にする必要がある。ラリーステージでの走行は、通常のディフェンダーが想定した条件とは異なる。ジャンプする機会も多い。
今のところ、ディフェンダー・チャレンジレーサーの最高速度は144km/hに制限されている。だが今日のラリーコースでは、問題になることはないだろう。
マッケニーが説明する。「ボンドカーを制作した、JLRのスペシャル・ビークル・オペレーションズ(SVO)に協力を仰ぎました。最新の007では、映画の中でディフェンダーが大ジャンプを披露しています」
「(ジャンプのために)どこをオフにしたのか確認しました」。しかし、チャレンジレーサーは公道を走れる必要がある。レース用スイッチを装備し、法的に問題にならないよう、一部の機能が働く状態へ戻すこともできるという。
メカニズム関係は、もう少し作業は簡単だったらしい。しかし、初代ディフェンダーをベースにしたブルドックなど、過去にボウラーが制作した限定マシンとは勝手が違う。
「これまでは、われわれ独自のシャシーを制作し、その上にロールケージを組んでボディを載せていました」。と説明するのは、ボウラーで設計をまとめるジェズ・シダール。しかし新しいディフェンダーはモノコック構造だから、同じ手法は取れない。
そこでボウラーは、既存のボディシェルに収まるFIA規格のロールケージを設計。パイプが各部で溶接可能か、入念に調査したそうだ。
この続きは後編にて。