【50年後でも仰天】ランボルギーニ・カウンタック LP400から25thアニバーサリーまで 中編
公開 : 2021.08.15 11:25
派手なデザインという時代の流行を牽引
ウルフレーシングのF1マシンにちなんだ、ダークブルーとゴールドに塗られたカウンタックは、1978年のジュネーブ・モーターショーに展示。チューニングされた5.0LのV12エンジンを搭載し、高性能なLP400Sと、その後を予告する1台となった。
LP400Sではメカニズム的な変更に加え、当時最先端の技術が投入されたタイヤの性能を発揮するため、アンチロールバーを再調整。リアサスペンションも、リンク構造が見直されている。
着飾ったLP400Sは、派手なデザインを好むという時代の流行を牽引。多くの人にとって、カウンタックのイメージを深く印象付けるモデルとなった。
今回ご登場していただいた1979年式は、ほぼ純粋な状態のLP400S。鮮やかなレッドのボディに、美しいマグネシウム製カンパニョーロ・ホイールを履いている。
ガンディーニが手掛けたボディキットが正しいものだったかどうかは、見る人の美的感覚に依存する。それでも、大胆な容姿に仕上がっていることだけは間違いない。
インテリアはLP400と大きくは違わないが、人間工学的な改善がわずかに施されている。ステアリングホイールが膝の間に来る、カウンタック・スクワットと呼ばれるドライビングポジションはそのまま。視界も換気も良くない。
走り始めてみると、実際的なスピードでLP400との差に気づく。LP400Sの方が軽く感じられるが、LP400の1300kgより50kg増している。加速時は同じくらいドラマチック。車内は一層騒がしくなっているようだ。
アメリカ大陸へ正式上陸を果たしたLP500S
身のこなしはタイト。コーナーではボディロールする様子もない。傷んだアスファルトの影響は、LP400より受けやすい。衝撃を吸収しきれず、振動が車内に伝わってくる。
LP400Sのステアリングフィールは理想的。LP400より秀逸。素早く旋回し、余計な手応えも伝わってこない。尖った印象もない。大きな4ポッド・キャリパーで挟むブレーキも、効果的に仕事をしてくれる。
LP500プロトタイプの発表から10年。開発資金が限られるなかで、1980年代に向けてランボルギーニはカウンタックの新鮮味を保とうとした。そして1982年にLP500Sを発表。ようやく、アメリカ大陸への正式上陸を果たす。
マセラティから移籍してきた技術者のジュリオ・アルフィエーリの能力を活かし、カウンタックはスーパーカーとしての強さを維持した。V型12気筒は排気量を4753ccへ拡大。圧縮比を下げつつ、大きな45DCOEのウェーバーキャブレターを搭載した。
暗めの青、ブルー・アカプルコに塗られた1984年式のLP500Sは、見た目ではレッドのLP400Sと似ている。インテリア・デザインも基本的には同じ。長方形のカウルの付いたメーターパネルも、受け継がれた。
メーターの配置は変更されている。読みにくさの解消など、いくつかの理由で。エアコンもオプションで用意された。暑くなりがちで風の通しの悪い車内だから、天気の良い地域では必須アイテムといえた。
この続きは後編にて。