メルセデス・ベンツGLA250 4 Matic AMGライン
公開 : 2014.03.29 23:00 更新 : 2017.05.23 16:58
■どんなクルマ?
来る6月から英国でも販売がスタートするメルセデス・ベンツGLA45 AMGの登場までは、このガソリン・エンジンを搭載したGLA250 4 Matic AMGラインがGLAのラインナップの中で最強のモデルである。
このGLAは、SUVというよりもクロスオーバーに近い。というのも、Aクラスとはかなり異なるルックスではあるが、狭いグラスハウスを持ち、比較的低いスタンスを持っているからだ。
このGLA250は、新世代の2.0ℓ4気筒エンジンを搭載する。そのパワーは、210ps、35.7kg-mだ。この値をライバルと比較すると、アウディQ3 TFSIの211psバージョンよりはパワーは劣りトルクに優れるが、184psのBMWのX1 2.0iよりはパワー、トルク共に上回る。
■どんな感じ?
エンジンは充分なトルクがあり、予想通り軽快感のあるものだ。しかし、組み合わせられる7速デュアル・クラッチ・ギアボックスは、僅かにそのフィーリングを鈍化してしまっているようだ。スポーツおよびマニュアル・モードにすれば、その鈍いフィーリングは改善されるが、劇的に変化するものではない。また、パドルシフトは付いているが、それはすぐに飽きてしまうものだ。
このGLA250 4 Matic AMGラインには、15mm車高が低く、19インチのアロイ・ホイールが装備されたAMGラインの “スポーツ” サスペンションが装着されていたが、この組み合わせは高く、揺れの大きい乗り心地を提供するだけだ。とりわけ、細かい路面の凹凸をよく拾いキャビンの中にまで振動を伝える。
しかし、ハンドリングは良くバランスが取れており、ステリングの重さもちょうど良く正確。しかも、トラクションも良い。
ちなみに、18インチ・ホイールと標準的なサスペンションを装備するGLA 250SEでは、非常に良いリラックスした乗り心地を提供してくれる。またダンピングも非常に良い。
コーナリングでは、ボディのロールが大きいが、クロスオーバーとしては許容範囲。また、オフロード性能は、通常のモデルよりも遥かに大きいロード・クリアランスと、4 Maticのパフォーマンス、そしてギアボックスのオフロード・セッティングのお陰で走破性は高い。
インテリアの素材自体は平均的なものだが、キャビン自体は魅力的で、レイアウトも良く、スポーティで居住性も良い。リアのスペースは充分な広さはあるが、狭いグラス・エリアのお陰で閉所恐怖症になりそうな雰囲気がある。また、リアの中央には座りたくない感じがする。ブート・スペースは、大きいというほどではないが、これも許容範囲にある。
■「買い」か?
他のドイツのライバル・モデルよりもボディ重量が軽いこともあって、燃費は15.2km/ℓ、CO2排出量も154kgと、非常に経済的且つ高効率なモデルだ。しかも、アウディQ3のSラインや、BMW X1 i20のMスポーツよりも安い。
一見したところ、GLA250 4 MaticのAMGラインはニッチなマーケット向けのモデルかもしれない。おすすめは、GL250 SEかもしれない。
(アダム・トウラー)
メルセデス・ベンツGLA250 4 Matic AMGライン
価格 | £30,495(522万円) |
最高速度 | 230km/h |
0-100km/h加速 | 7.1秒 |
燃費 | 15.2km/ℓ |
CO2排出量 | 154g/km |
乾燥重量 | 1505kg |
エンジン | 直列4気筒1991ccターボ |
最高出力 | 210ps/5500rpm |
最大トルク | 35.7kg-m/1200-4000rpm |
ギアボックス | 7速デュアル・クラッチ |