【詳細データテスト】日産キャシュカイ 力不足のエンジン 一貫性のないステアリング 実用性は高水準
公開 : 2021.08.07 20:25
内装 ★★★★★★★★★☆
先代がとくに年次の古さを感じさせたのがインテリアだったが、その点で最新モデルは大きな進歩を果たした。しかし、そのためにデジタル的なテクノロジーが使われたというわけではない。
流れるような曲線で構成されるダッシュボードと横方向に走る装飾のライン、そして中央の大画面タッチ式ディスプレイという構成は、いかにも今風だ。テストしたテクナグレードでは、青い合皮のパネルが色味を添えている。
日常的に手を触れそうな場所のマテリアルはソフトタッチに仕上げられ、ボタンやスイッチの多くは適度な手応えがある。インテリアーのモールディングは、しっかり取り付けられているように感じられる。
乗ってすぐ、きわめて簡単に操作を把握できるのは、重要な機能がどれも実体のボタンやノブで操作できるからだ。エアコンパネルは独立し、ステアリングアシストやヘッドアップディスプレイといったドライバーアシストデバイスのオン/オフもボタンで行える。
じつに扱いやすい仕立てだ。タッチ式の操作系は、大画面のインフォテインメントディスプレイ以外に見当たらない。
また、乗員それぞれが手持ちのデバイスを、必要に応じて充電できるのもありがたい。12Vソケットが複数あるほか、USBポートはタイプAとタイプCが2口ずつ設置されている。また、ほとんどのグレードにワイヤレス充電パッドも装備。そのほかにも、便利な機能が満載されている。
後席へは、90°まで開くドアにより楽に乗り降りできる。先代同様、レッグルームはクラス平均といったところだが、ヘッドルームは固定式パノラミックルーフ装着車でも十分にある。つまり、背の高い大人でも問題なく座れるが、長距離での快適性は平均点といったスペースだ。
リクライニングやスライドといった調整機能は備わらない。可倒機構は40:60の2分割で、より融通のきく40:20:40の3分割ではない。
荷室には、フレキシビリティを発揮する仕掛けがある。脱着可能なフロアパネルは高さ調整が可能なだけでなく、立てれば荷物の滑り止めにもなる。外した下には収納スペースがあり、その表面は汚れを綺麗に拭き取れる素材で覆われている。パネルをすべて定位置に据え付ければ、フラットな荷室とその下の収納スペースが利用できる。