【価格2倍=魅力2倍?】ランドローバー・レンジローバー vs ベントレー・ベンテイガ 高級SUV比較 前編
公開 : 2021.08.21 09:45 更新 : 2021.11.25 18:14
高級SUVの頂点の一角をなす、ベントレー・ベンテイガ。モデルチェンジ間際のレンジローバーとの差はどれほどなのか、英国編集部が比較しました。
ふんだんなオプションで価格差は3倍に
28万ポンド(4312万円)。書き記さずにはいられなかった。ふんだんに追加されたオプションのおかげで、大きく膨らんでいた価格だ。ベントレーが提示するベンテイガの英国価格は、14万6700ポンド(2249万円)からなのだけれど。
他方、ダークブルーに塗られたランドローバー・レンジローバーの英国価格は8万9110ポンド(1372万円)。いくつかのオプションが載っているのに、3台を買ってお釣りが出てしまう。
レンジローバーのオプションを載せる前の価格は、8万6920ポンド(1338万円)。ベントレーではなく、メルセデス・ベンツ側の価格帯にある。モデルセグメントとしては、別の領域にあるモデルだといえる。
今回比較試乗するのは、英国ブランドの高級SUV。モデルチェンジ目前の4代目レンジローバーが、フェイスリフトを受けたベンテイガへどこまで迫れるのか、直接比較で確かめてみたいと思う。
2016年に登場したベンテイガのスタイリングは、2020年のマイナーチェンジを経て、美しさに磨きがかけられた。新しい楕円形のテールライトが、最もわかりやすい見た目の違いだろう。
外からは見えにくい、内側にも変更が加えられている。ベントレーは1000点以上の部品を改めたと説明する。マトリックス・ヘッドライトやワイパーなども新しい。細かな部品も含まれているから、一新したとまではいえないと思う。
見事としかいいようがないインテリア
ベンテイガのインテリアで真っ先に目を引くのが、ダッシュボード前面に左右対称であしらわれた、翼を広げたフォルムのメタルパネル。作り込みは見事としかいいようがなく、素晴らしい眺めだ。
ダッシュボード中央にはタッチモニターが、ドライバーの正面にはモニター式のメーターパネルが収められている。日常的によく使うエアコンやオーディオ類の操作には、個別のボタン類が残された。
操作性は良い。ロータリー・コントローラーがあれば、メニュー選択などは一層簡単になるだろう。
シートも新しくなった。大ぶりのサイズで心地よく、サポート性にも優れている。ドライビング・ポジションは、大型SUVというより乗用車に近い。着座位置は低めで、肩の高さくらいにサイドウインドウの下のラインが来る。
ボディサイズは巨大。全長5125mm、全幅1998mm、全高1728mmもあるから、間違いなく大きい。4.0L V8ガソリンターボ・エンジンを搭載する仕様で、車重は2416kgに達する。トランスミッションは8速ATで四輪駆動だ。
ベントレーは能力に長け、多くの目的を達成できる。リアシートは広々としていて、頭上空間にもゆとりがある。最上級モデルを好む人を惹きつけてやまない。
高級車でありながら、最大で3.5tのトレーラーを牽引でき、オフロード走行も可能。最高出力549psと、最大トルク78.3kg-mを発揮し、最高速度289km/hで疾走することもできる。