【奥深い】新型話題 トヨタ・ランドクルーザーの派生モデル4選
公開 : 2021.08.08 05:45 更新 : 2023.06.17 12:22
プラドの贅沢仕様 レクサスGX
何を隠そう、レクサスブランドから販売されている「ランドクルーザー派生モデル」はこのLXだけではない。
「GX」というモデルが、現在進行形で存在するのだ。
この「GX」はアメリカやカナダ、中国などで展開されているモデルで、日本では発売されていない。
ベースとなっているのは「ランドクルーザー・プラド」で、「LX」と「RX」の中間を担うモデルとなっている。
初代デビューは2002年。120系のプラドをベースにした本格オフローダーだが、顔つきや本杢目パネルで上質化したインテリア以上に興味深いのが、心臓部である。
直列4気筒もしくはV型6気筒を組みあわせたランドクルーザー・プラドに対して、GXではV8エンジンを組みあわせたのだ。
エンジンは排気量4.7Lの自然吸気で2UZ-FE型。つまりフラッグシップセダンのLSや最高峰SUVのLXと同じパワーユニットを組みあわせた、ランドクルーザー・プラドの派生モデルということになる。
トランスミッションも6速ATで、こちらもランドクルーザー・プラドに対して多段化されている。
GXは2009年に2代目へフルモデルチェンジ。
150系のランドクルーザープラドがそのベースで、2013年のマイナーチェンジを実施。
このマイナーチェンジではスピンドルグリルが採用され、よりレクサスらしさを強調したスタイリングとなった。
エンジンは世代交代し排気量4.6Lの1UR-FE型となったが、もちろんV8。
GXは、その歴代モデルすべてにおいてV8エンジンの搭載がランドクルーザー・プラドとの最大の違い。
マルチシリンダーは効率だけを見れば「単なる無駄」でしかないが、その繊細なフィーリングなど官能面では大きな魅力があり、無駄こそが贅沢と美学なのである。
今もなお生産され続けている「現役」 ランクル70
ところで話は変わるが、ランドクルーザーといえば海外向けがおもしろい。
海外では日本で展開されていない、もしくは日本での販売が終了したランドクルーザーが現役で存在するのだ。
その代表がランドクルーザー70系。
1984年と、なんと40年近く前に登場したモデルで日本では2004年に販売を終了。
その後2014年から2015年にかけて期間限定で復活したが、もう日本では新車として手に入れることができない。
しかし、オーストラリアやアフリカなどではいまだに現役。
そして興味深いのはボディタイプだ。
ワゴンやピックアップのほか、日本で復活販売されたピックアップよりもさらに本格的なトラックタイプといえる、ホイールハウスの張り出しのないフラットな床の荷台を組み合わせた「キャブシャシー」と呼ぶタイプも販売しているのである。
これは、目的にあわせて荷台を付け替えることも前提としたタイプでもある(かつては日本にもこれをベースに架装した消防車などがあった)。
そして派生モデルとしてもっとも興味深いのが、「トゥループキャリア」というモデルだろう。
「兵員輸送車」を意味し型式を「78」(プラドと被っているがもちろん別モデルだ)としたこのモデルは、ホイールベースをワゴン(2730mm)とキャブシャシー(3180mm)の中間となる2980mmに設定し、2人もしくは5人が乗車可能。
ドアは3ドアで、シングルキャブトラックの荷台をキャビンで囲んだ仕様、つまり初代「ハイラックスサーフ」の3ドアをイメージすると分かりやすい(ただし仕立てはもっと簡素だが)。
これは極地での人と荷物の移動手段として開発されたものだが、見えない大きな特徴は燃料タンクだ。
容量を他のモデルの130Lに対して180Lと大型化され、航続距離を伸ばしているのである。
これは、日本ではほぼ知られていないが地域によっては欠かせない、ランドクルーザー70の裏メニュー的なモデルである。
いずれにせよ、ランドクルーザーの世界は奥が深い。