【GT-Rより新しいのに】ホンダNSXが短命に終わったワケ 旗艦モデル廃止 ホンダブランドの行方は?

公開 : 2021.08.11 05:45  更新 : 2021.10.22 10:07

レジェンドも廃止 今後のブランドイメージは?

ホンダは2040年には内燃機関を廃止する方針だから、既に車種構成の整理を開始している。

販売台数の少ないNSXの廃止も理解できるが、30年以上の伝統あるフラッグシップスポーツカーだ。イメージリーダーとしての存在感は大きい。

ホンダ・レジェンド
ホンダ・レジェンド    ホンダ

しかもホンダは、狭山工場の閉鎖に伴い、オデッセイ、レジェンド、クラリティの生産も終了する。

オデッセイはミニバン、レジェンドはセダンの最上級車種だから、NSXとあわせて廃止するとフラッグシップモデルが一気に抜け落ちる。

仮にそうなると、ホンダのブランドイメージは大幅に変わってしまう。

2021年1~7月の時点で、国内で新車として売られたホンダ車の35%をNボックスが占めた。

軽自動車全体では50%を上まわり、そこにフィット、フリード、ヴェゼルというコンパクトな3車種を加えると85%に達する。

このうえでさらにNSX、オデッセイ、レジェンドまで廃止すると、ホンダのイメージは、スズキダイハツに急速に近付いていく。

NSXやレジェンドは、ホンダにとって、ブランドイメージのスタビライザーだ。

販売台数は少なくても、その存在がアピールされることで、ホンダは上級車種を手掛ける総合自動車メーカーであり続ける。

Nボックスも「NSXやレジェンドを手掛けるホンダの軽自動車」とみられる。これもNボックスなどが好調に売れる大切な理由だ。

それがこれからは、車種ラインナップとブランドイメージの両方で、ダウンサイジングが加速する。

電動化を達成した2040年のホンダは、今とはまったく違うメーカーになっているかも知れない。

記事に関わった人々

  • 渡辺陽一郎

    Yoichiro Watanabe

    1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様にケガをさせない、損をさせないこと」を重視して、ユーザーの立場から、問題提起のある執筆を心掛けている。買い得グレードを見極める執筆も多く、吉野屋などに入った時も、どのセットメニューが割安か、無意識に計算してしまう。

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