【ボディが伸縮】アウディ・スカイ・スフィア 次世代コンセプト公開 自動運転EVの未来

公開 : 2021.08.12 06:05  更新 : 2021.09.06 04:50

Q&A デザイン責任者に聞く

スカイ・スフィアのデザインを担当したデザインスタジオの責任者、ガエル・ブジンに話を聞いた。

――スカイ・スフィアに求められた要件はどのようなものでしたか?

デザインスタジオのガエル・ブジン氏
デザインスタジオのガエル・ブジン氏

「(アウディから)特に要求はなく、レベル4自動運転車のビジョンを自由に表現することができました。PB 18 eトロンは、スーパーカーの未来を示す非常に特殊な体験をさせてくれたという意味で、少しインスピレーションを受けました。スカイ・スフィアでは、グランドツアラーの未来を探ってみたいと思ったんです」

――なぜグランドツアラーなのでしょうか?

「グランドツアラーは、最高のラグジュアリー、最高のパフォーマンス、そして最も美しいスタイリングといった、クルマに求められる最高のものを提供することを目指しています」

「しかし、それらを1台のクルマにまとめるにはどうすればよいのでしょうか。グランドツアラーは往々にして妥協を余儀なくされますが、わたし達はEVの可能性を示したかったのです」

――これはTTの後継モデルになるのでしょうか?

「それは賛辞として受け止めましょう。TTはアイコンですから、スカイ・スフィアもそうなることを願っています。しかし、あくまでもコンセプトであり、TTよりもはるかに大きいものです」

――新しいハイエンドの顧客を獲得する狙いもありますか?

「わたし達は常に新しいお客様に目を向けていますが、スカイ・スフィアは既存のお客様にもアピールできるものです。30年代や50年代に主流だったクルマを、よりグラマラスに、よりロマンティックに使っていただくという、忘れ去られた体験を提供します。多くのお客様の心に響くでしょう」

最近のアウディのコンセプトカー

●2017年「Aicon」

2025年からの展開が計画されている自動運転車ファミリーの先駆けとなったAiconは、ラウンジ風のインテリアを採用し、遠隔操作で駐車可能で、理論上の航続距離は800kmに達する。

●2019年「AI:ME」

AI:MEは、スフィア・コンセプトと同様に、自動運転技術がクルマのデザインにどのような変化をもたらすかを検証したものだ。その中でも、AI:MEは都市部での共有モビリティに焦点を当てている。既存のA3とほぼ同じサイズを持ち、操縦性と室内空間を優先した。

●2018年「PB 18 eトロン」

アウディPB 18 eトロン
アウディPB 18 eトロン

PB 18は、正真正銘の電動スーパーカーの生産モデルに最も近いものだった。現行のV10エンジンを搭載したR8をはるかにしのぐ775psを発揮すると言われていたが、いまだに市販化の知らせは届かない。

●2021年「A6 eトロン」

A6 eトロンは、その名が示すように、現在のA6に相当するEVとして2023年に生産される予定だ。自動運転はあまり重視されないが、効率性と室内の広さに重点が置かれている。

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