【帰省時、要注意】警察も気づき始めた!? 「あおり運転」真の要因 「車両通行帯違反」激増
公開 : 2021.08.13 05:45 更新 : 2022.03.25 18:49
あおり運転が起こりやすいのは、高速道路の追越車線です。過去5年間の取締り件数とともに注意点をお届け。
もくじ
ー追越車線で発生しやすいあおり運転
ー追越車線 走り続けると車両通行帯違反
ー通行帯違反の取締り、増えている
ー過去5年間 高速道路の取締り件数
ー車両通行帯違反の取り締まりを強化
ー改めて運転の大原則キープレフトとは
追越車線で発生しやすいあおり運転
あおり運転が社会問題として問題視されるようになったのは、2017年6月に発生した「東名高速夫婦死亡事故」が始まりと考えていいだろう。
直前のパーキングエリアで被害者に注意されたことを根に持った加害者が、東名高速本線上で被害者のクルマに嫌がらせをおこない、追い越し車線で停車させて口論を始めたところにトラックが追突。乗っていた夫婦が死亡した悲惨な事故(事件)である。
また、2019年8月にはあおり行為の一部始終を記録した動画が拡散され日本中を騒がせた事件があった。
加害者は「追越車線で自分のクルマの前に割り込まれたこと」に腹を立てて「やり返す」つもりで嫌がらせし、高速道路本線上でクルマを停めさせて車外から暴力をふるったとされている。
同様のあおり行為を静岡県や愛知県、茨城県の3か所でおこなっていたことが明らかになり、あおり運転厳罰化が加速した。
2020年6月には「妨害運転」への罰則が強化されることになり、最大で懲役3年、著しい交通の危険を生じさせた場合は最大で懲役5年の刑に処せられ、運転免許取り消しの対象とされることになった。
ドラレコの普及とともに、「あおり被害」を報告する動画を目にする機会も増えたがそれらのほとんどは、追越車線で発生している。
東名高速夫婦死亡事故も、常磐道の事件も「コトの発端」は追越車線である。
追越車線はどう走るべきなのだろうか?
追越車線 走り続けると車両通行帯違反
ほんの数年前まで「追越車線走ってたら後ろからあおられた」「前に遅い車がいたからパッシングしてあおったけどなかなかどいてくれない」……このような状況を「あおり行為」といっていた。あおる=追越車線で遅い車に対して車間を詰めることだった。
実際、ほとんどは、ただ単に速く行きたいだけで、進路を譲ってくれさえすれば良いのだろうが、「ターゲット車の前に出て進路をふさぐ」「幅寄せをする」といった「妨害運転」は、明らかに嫌がらせが目的だ。
あおり運転につながるとして2017年頃から高速道路での取り締まりが強化されている違法行為に「車間距離不保持」と「車両通行帯違反」がある。
車間距離不保持はその名の通りで意味もわかりやすいだろうが「車両通行帯違反」とは何に対する違反なのか?
改めて説明しておきたい。
車両通行帯は道路交通法第20条にて以下のように規定されている。
「車両は車両通行帯の設けられた道路においては、左側端から数えて1番目の通行帯を通行しなければならない」
「ただし3以上の車両通行帯が設けられている場合は、その最も右側の車両通行帯を追い越し用としてあけ、それ以外の車両通行帯を通行することができる」
車両通行帯違反とは平たく言えば「追越車線」をずっと走り続ける違法行為である。