【帰省時、要注意】警察も気づき始めた!? 「あおり運転」真の要因 「車両通行帯違反」激増
公開 : 2021.08.13 05:45 更新 : 2022.03.25 18:49
通行帯違反の取締り、増えている
追越車線は「前車を追い越すために設けられた車線」なので、走行車線に通行車両がないのに追越車線を走行していると、
・追いついた車両が左側から追い越す
・追越車線を走るクルマが遅い場合、後続車が十分な車間距離を保たず走行する
など、きわめて危険性/迷惑性が高い行為につながる可能性がある。
要するに、追越車線を遅いスピードで走り続けると、後続車のイライラが募り、車間距離を詰めてくるなど妨害運転の要因となる可能性が高い。よって車両通行帯違反の取り締まりも再び強化されている。過去5年間の高速道路における取締り件数の推移をご紹介しておこう。
過去5年間 高速道路の取締り件数
車間距離不保持
平成28年
6690件
平成29年
6139件
平成30年
1万1793件
令和元年
1万3787件
令和2年
1万1523件
車両通行帯違反
平成28年
6万7890件
平成29年
6万1362件
平成30年
6万1773件
令和元年
6万775件
令和2年
6万7991件
車両通行帯違反の取り締まりを強化
こうしてみると、東名の夫婦死亡事故以降、あおり運転が社会問題化された平成29年から平成30年に「車間距離不保持」の取締り件数が6139件→1万1793件と約2倍に増えている。しかし令和2年には大幅に減少し、再び1万1000台に。
いっぽう「車両通行帯違反」は以前から「最高速度違反」に次ぐ取締り件数の多い違反だったが「車間距離不保持」の取締り件数が増えるのに反比例してやや減少気味となっていた。
それが、令和2年では車間距離不保持が約2200件以上減少し、車両通行帯違反が7000件以上増加している。
車間距離不保持の違反をするクルマじたいが減ったことはもちろんあるだろうが、「あおり運転を発生させる原因」として改めて車両通行帯違反の取り締まりを強化しているとも考えられる。
改めて運転の大原則キープレフトとは
クルマを走行する際の大原則に「キープレフト」(=左車線を保って走る)という、昭和39年6月に誕生した道路交通法がある。
車両通行帯のない(=片側1車線)道路
追い越しなどのやむを得ない場合の他は、自動車と原動機付自転車は道路の左側に寄って通行しなければいけない(道路交通法第18条)
車両通行帯がある道路
同一方向に2つ以上の車両通行帯が設けられている(=片側2車線以上の道路)場合はもっとも左側の車両通行帯を通行する(道路交通法第20条)
追越車線をずっと走り続けることは、高速道路における「キープレフト」が守られていないことになる。
2017年の後半から高速道路においてはとくに「車間距離保持」を注意喚起する電光掲示板が急増している。
ここ1〜2年は「キープレフト」を呼びかける注意喚起の掲示が増えていることから、今後も車両通行帯違反の取り締まりはおこなわれていくと思われる。
あおり運転の原因を作らないためには追越車線を走り続けないことがいかに重要か? ということだが、それでは追越車線はどれくらいの距離まで走り続けてもいいのか?
この件で筆者はこれまで複数の警察や高速隊に確認しているが、回答をまとめると以下となる。
「〇km以内などの明確な数字は存在しません。追越が終わって安全な車間距離などを確保できる状況になれば速やかに戻ってください」
「走行車線に戻れるのに戻らず、後続車の進路をふさぐようなスピードで追越車線を走り続けているクルマが取り締まりの対象になります」
「距離等関係なく1km以下でも取締っています」
とのことなので、追越が終わったら速やかに走行車線に戻る。
これさえできていればあおられる危険性はぐっと低くなると言えそうだ。