【静寂な空間で際立つ】変わるクルマとスピーカーの関係 電気自動車でさらに

公開 : 2021.08.18 05:45  更新 : 2021.10.20 17:32

出力や数ではなく 伝統に裏打ちされた技術

BOSEのスピーカーシステムは、公共施設でも多く採用されている。

山手線の駅ホームのスピーカーに、BOSE製が採用されているのをよく目にする。

日産アリア
日産アリア    日産

騒音が多い広い空間で大音量の放送をしても、しっかりと人の耳に音を届けるのは、「Large Signal(大音量でのパフォーマンス)」のフィロソフィーが生かされた技術の1つであろう。

鈴木氏は「BOSEは、カタログスペックの数値でアピールすることをしません。他メーカーでは出力◯Wと高出力を謳い文句にしているが、BOSEはそうしていない」と付け加えた。

たしかに、大音量で聴いても破綻せず音を楽しめるBOSEのカーオーディオ製品に、出力◯Wと強調されたコピーを見かけたことがない。

少なくとも日産のラインナップでは、Webカタログに、出力の記載すらなかった。

BOSEとしては、低消費電力で大きな音を生み出す高効率のスイッチングアンプを当初から採用していた伝統に裏打ちされた技術があり、これはエンジンでいうなれば、ダウンサイジングターボのようなものだろう。

また、電力消費量がカギとなるEVにおいては、BOSEにはアドバンテージがあったと思われる。

残念ながら、アリア「BOSEプレミアムサウンドシステム」を試聴する機会は、もう少し先になりそうだ。

しかし、ノート・オーラをはじめとした日産とBOSEの共同開発オーディオシステムは、既に高い評価を受けているので、期待は高まる。

鈴木氏は、欧米では、より良い音で音楽を楽しむことを目的に、BOSEのサウンドシステムが搭載されたモデルを選択するユーザーが少なくないとも語った。

音にこだわる人で、EVを選択するユーザーは、これまで以上にオーディオの良し悪しが、選択の判断材料となるだろう。

記事に関わった人々

  • 宇野智

    Satoru Uno

    1974年生まれ。前職はSE兼営業で副業が物書き。自動車ウェブメディア編集長を経て、2021年2月からフリー。現在の基礎はカタログ少年時代、食事中はTVを見るより諸元表を見ていたことに始まる。陸海空の乗り物全般と猫とカメラとガジェットをこよなく愛する。取材/執筆/撮影/編集はもはやライフワークに。結果、キャパオーバーで自爆すること多数。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事