【ドライ/ウェット/スノーで試す】新オールシーズンタイヤ「ミシュラン・クロスクライメート2」の進化

公開 : 2021.08.18 14:00  更新 : 2021.10.09 22:23

意外だった ドライ&ウェット性能

6月、栃木にあるGKNドライブラインジャパンのテストコースでCC2のドライとウェットの性能をチェックすることができた。

オールシーズンタイヤでドライ路面を走った場合、普通のペースでもパターンノイズが大きめという先入観があった。

ミシュラン・クロスクライメート2
ミシュラン・クロスクライメート2    ミシュラン

ところが今回、静粛性の部分に最初に驚かされた。

直進していてもコーナリング中でも静かさは相当なもの。ハンドリングに関しても、スタッドレスとは違いコシの強さが感じられ、頼もしい。

コーナーの途中でヘビーウェットになるような場面でも滑り出しは穏やかで、冬の北海道で感じたタイヤ全体のバランスの良さ、素直なキャラクターを再確認できた。

CC2のトレッドはすべてのエッジの部分が丁寧に面取りされている。

このブイランプエッジと呼ばれる形状により、エッジ部分が倒れ込みトレッドを持ち上げてしまう動きを回避しているのだという。

大胆なV字トレッドパターンの中に、すべてのシーズンに対応するテクノロジーが詰め込まれているのである。

敢えてCC2の弱点を挙げるとすれば、トレッドのゴロゴロ感がステアリング越しに伝わってくることぐらい。

メーカーが削ったものではなく、本当に摩耗したタイヤでゴロゴロ感がどうなるのか、その点だけが気になった。

相性良ければ買い でも相性って?

先代のCCと比べた進化ははっきりと確認できたし、圧雪路とドライ/ウェット路面でもミシュランらしいバランス性能の高さを感じさせてくれたCC2。

だがオールシーズンタイヤの性格を考えれば、誰にでもおすすめできるタイヤというわけではない。

ミシュラン・クロスクライメート2
ミシュラン・クロスクライメート2    ミシュラン

降雪地帯に住んでいる人やウインタースポーツの移動手段としてクルマを利用する人にはスタッドレスタイヤがある以上「向かない」といわざるを得ない。

オールシーズンとはいえとくに2WD車の場合、雪道での使用はエマージェンシー的なものと捉えた方がいい。

例えば都内に住んでいて急な降雪に遭ったとき、環八あたりの陸橋で大渋滞の原因を作らないようにという意識の持ち主。でもそのためだけに毎年タイヤ交換をするのは面倒だという気持ちもある。CC2と相性がいいのはそんな人だと思う。

そして、この例に当てはまるような都市部の自動車オーナーというのが、案外多いはずなのである。

CC2のサイドには3MPSF(スリーピークマウンテン・スノーフレーク)マークが入っているので、冬タイヤ規制の高速道路も走行可能。

そして夏タイヤとしての性能もしっかりと確保されている。

万が一の保険をあれこれ考えるより、CC2を履いている方がいざという時の安心感は高いと思う。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。

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