【22億円】マクラーレンF1、高額落札 コロナ禍のグッディング&カンパニー・ペブルビーチ・オークション

公開 : 2021.08.18 05:33  更新 : 2021.10.11 10:49

ほぼ新車の「マクラーレンF1」が、北米のオークションに登場。20億円超えで落札されたました。グッディング&カンパニーの最新競売を解説します。

132台の希少車が出品

text:Kazuhide Ueno(上野和秀) / photo:GOODING&COMPANY

北米のクルマの祭典、モントレーカーウィークを代表するオークションの1つが、グッディング&カンパニーによるペブルビーチ・オークションだ。

昨年はパンデミックの影響で中止になったが、今年はコロナ禍が一段落したことから、ようやくオンライン形式ではないリアル開催が行えるようになった。

モントレーカーウィークで開催される3大競売の1つとなる「グッディング&カンパニー・ペブルビーチ・オークション」を分析。注目の出品車は、ほぼ新車のマクラーレンF1。
モントレーカーウィークで開催される3大競売の1つとなる「グッディング&カンパニー・ペブルビーチ・オークション」を分析。注目の出品車は、ほぼ新車のマクラーレンF1。    GOODING&COMPANY

昨年の無念を晴らすように強力なラインナップが並び、グッディングの伝統を象徴するマニアックでクオリティの高いクルマが用意された。

会期は2日間に渡り、8月13日に60台、8月14日に72台、合計132台もの貴重なモデルが集められている。

今年の主役は、走行390kmというほぼ新車状態のマクラーレンF1に尽きる。

さらに、フェラーリ250GT LWBカリフォルニア・スパイダー・コンペティツィオーネ、ブガッティ・タイプ35Bグランプリ、アストン マーティンDB4 GTを始めとする珠玉のモデルたちが揃う。

これ以外にも、フェラーリ275GTB/4、フェラーリF40に加えて、人気上昇中のランボルギーニ・ミウラは2台が出品されるという豪華さ。メルセデス・ベンツ300SLも、ガルウイングとロードスターの両タイプが用意された。

今回のラインナップを見て気付くのは、新しいモデルが少ないことだ。

1930~60年代のアメリカ車や、1950~80年代の欧州のスポーツカーとGT車が主流となっており、21世紀のクルマはわずか5台だけだった。

富裕層は、この時期どう動く?

オークションが終わり、発表されたリザルトを見ると、予想以上の高額落札が数多く並んでいた。

そこにはコレクターズカーバブルの再来か、と思わせる高値が連発していたのである。

高値2位を記録した1959年フェラーリ250GT LWBカリフォルニア・スパイダー・コンペティツィオーネ(11億9240万円)
高値2位を記録した1959年フェラーリ250GT LWBカリフォルニア・スパイダー・コンペティツィオーネ(11億9240万円)    GOODING&COMPANY

100万ドル以上の予想落札額を掲げたのは34台もあったが、その内24台が高額で落札。さらに7台は、予想落札額を大きく超える好結果を記録する。

世界的な金余りで投資先を探す流れだが、ペブルビーチ・オークションの結果は、富裕層のエンスージァストが金に糸目を付けず競り合っていたように見える。

それを象徴していたのがマクラーレンF1と、フェラーリ250GT LWBカリフォルニア・スパイダー・コンペティツィオーネ、フェラーリ275GTB/4、F40、メルセデス・ベンツ300SLロードスターという顔ぶれ。

どれも現在の相場を大きく超える額で落札されていた。つまり、投機的には利益を得られる額でなかったのだ。

コロナ禍を乗り越えて復活したモントレーカーウィークというお祭りの場で、入札者も高揚してヒートアップしてしまったのかもしれない。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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