【22億円】マクラーレンF1、高額落札 コロナ禍のグッディング&カンパニー・ペブルビーチ・オークション

公開 : 2021.08.18 05:33  更新 : 2021.10.11 10:49

高額落札トップ10は?

リザルトを見ると今回の出品車のレベルの高さと、入札者の熱狂ぶりがひしひしと伝わってくる。会場にはそれぞれが想うフェイバリットカーがあったからだ。

なにしろ、落札率は高額車が多かったにもかかわらず、87.1%と好調。

高値1位を記録した1995年マクラーレンF1(22億5115万円)
高値1位を記録した1995年マクラーレンF1(22億5115万円)    GOODING&COMPANY

トップ10は以下の通りで、ペブルビーチらしい幅広い年代とメーカーの極みが並んだ。

1位:1995年 マクラーレンF1(22億5115万円)
2位:1959年 フェラーリ250GT LWBカリフォルニア・スパイダー・コンペティツィオーネ(11億9240万円)
3位:1929年 ブガッティ・タイプ35Bグランプリ(6億1765万円)
4位:1958年 フェラーリ250GTカブリオレ・ピニンファリーナ・シリーズI(4億8455万円)
5位:1930年 デューセンバーグ・モデルJディサピアリング・トップ・コンバーチブル・クーペ(4億3615万円)
6位:1967年 フェラーリ275GTB/4(4億288万円)
7位:1961年 アストン マーティンDB4 GT(3億6355万円)
8位:1963年 メルセデス・ベンツ300SLロードスター(3億3935万円)
9位:1914年 スタッツ4Eベアキャット(3億2120万円)
10位:1992年 フェラーリF40(3億1818万円)

マクラーレンF1(McLaren Chassis No.029)は、ファクトリーの記録によれば、ウォーキングのワークショップで製造された25番目の個体で、1994年に作られた最後の車両。作業自体は1994年12月23日に完了しているという。

また、エレガントなメタリックカラーが特徴で、他の個体には使われなかった唯一のカラーリングとなり、クレイトン・ブラウンと名付けられている。

ほぼ新車の状態にあることが評価された好結果といえよう。

また、カリフォルニア・スパイダーは希少なファクトリー・コンペティツィオーネのためここまで値を上げている。

F40/ミウラ/希少ポルシェに注目

300SLロードスターは、最終生産車でオリジナルペイントを保つという状態の良さから、これまでの最高値だった250万ドルをあっさり超える308万5000ドルを記録。

275GTB/4は、2014年のバブルのピーク時に記録された375万ドルに迫る366万2500ドル(4億288万円)で落札されている。

高値10位に入り、これまでの記録を大きく超える好結果となった1992年フェラーリF40(3億1818万円)
高値10位に入り、これまでの記録を大きく超える好結果となった1992年フェラーリF40(3億1818万円)    GOODING&COMPANY

注目したいのがフェラーリF40だ。

走行2500マイル(約4000km)という、ほぼ新車状態だけにヒートアップし、これまでの記録だった205万ドルを大きく超える289万2500ドル(3億1818万円)まで上昇。

2台が出品された人気のランボルギーニ・ミウラは、メーカー公式のポロ・ストリコでレストアされたP400が、過去最高となる2億928万円を記録。もう1台のP400Sは、1億4575万円で終えている。

新記録となる落札額が続発したが、そのなかで1964年ポルシェ356Cカレラ2カブリオレが大台超えの1億1429万円達したことはニュースだ。30台のみが作られたという4カム・カブリオレの希少性から競り上がった。

また1965年から所有しガレージに仕舞い込まれていた埃まみれのジャガーEタイプ・シリーズI 4.2Lロードスターは、痛みはあるもののオリジナル度の高さから3806万円で落札。

王道モデルのほかにも、コレクター放出の安価なフランス車の数々や、要レストア状態のアストン マーティンDB2など、見ているだけも楽しいラインナップが成功の秘訣かもしれない。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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