【先代から確かな進化】新型 スバル・アウトバックへ英国試乗 高いシャシー性能を評価
公開 : 2021.08.25 08:25
オフロード性能を引き上げたステーションワゴン、アウトバック。舗装路での洗練度を高めた6代目を、英国編集部が評価しました。
新世代グローバル・プラットフォーム採用
最近の英国ではスバルの売れ行きが厳しい。2020年の販売は、前年から68%も減少してしまった。その起死回生を図るべく投入されたのが、6代目アウトバック。2021年も半分を過ぎたが、成績を少しでも上方に向けたい考えだ。
基礎骨格を構成するのは、スバルの新世代グローバル・プラットフォーム。最新のフォレスターも採用するもので、全長と全幅のわずかな成長を促している。
すべてのボディパネルは新しくなり、インテリアも一新され、現代的なデジタル技術もふんだんに実装された。このクロスオーバー・ワゴンなら従来の勢いを取り戻せると、英国のスバルは期待を寄せている。
新しいアウトバックの心臓となるのが、先代にも搭載されていた自然吸気の2.5L水平対向4気筒エンジン。6代目への搭載に合わせて大幅な改良が施され、最高出力169ps、最大トルク25.6kg-mを発揮する。
組み合わされるトランスミッションはCVT。常時4本のタイヤへ駆動力が伝わる、パーマネント方式の四輪駆動を採用するのは、スバルの伝統といえる。
車内空間は先代より明らかに広々としている。荷室の積載量も増やされた。ダッシュボード中央に鎮座する、11.6インチの縦長タッチモニターが技術的なハイライトとなる。
インテリアに用いられる素材の質感や組み立て品質なども、明らかに従来からの進歩を感じる。メーターパネルはアナログ。操作レバーなどのタッチは、ライバルには少し及ばないようだ。
シャシーは驚くほどに高水準
今回の試乗でスバルが指定したルートは、特に厳しいオフロードというわけではなかった。しかし、アウトバックが近年の都市型SUVに並ぶ、優れた能力を備えていることは確認できたといえる。
一新されたボクサー・ユニットはレスポンスに優れ静か。積極的に回転してくれる。一方でスムーズさや上質さという点では、ライバルモデルが積む4気筒エンジンには届いていない。
CVTはトルクコンバーター式ATのように、擬似的に8段階のギア比が設定されている。ステアリングホイールに取り付けられたパドルで、スムーズに変速できる。
CVT特有のダイレクト感に欠けるラバーバンドフィールは残っており、特定の条件ではエンジンが必要以上に回転数を高めることも。高速道路を巡航していると、稀に多くのエンジンノイズが車内へ響いてきてしまう。
座面位置は比較的高めで、グラスエリアが広く運転席からの視界は良好。反面、クロスオーバーとして最低地上高が高く、全高も高い。速度域が上がるほど、小さくない風切り音を発していた。
気になる点はあるものの、アウトバックの全体のまとまりは良い。シャシーは驚くほど高水準に煮詰められており、ステアリングホイールの重み付けも心地良い。操舵感はダイレクトで、正確に反応する。
四輪駆動システムにはトルクベクタリング機能も標準で搭載され、優れたグリップ力とトラクションを発揮。厳しい条件化でも、頼もしくボディを運んでくれるだろう。