【ザ・実用クラシックカー】ボルボ240 英国版クラシック・ガイド 安全で堅牢 前編

公開 : 2021.08.28 07:05  更新 : 2021.08.30 07:38

ボルボが市場を開拓した傑作モデル

同時期のモデルとしては防錆性が非常に優れていたものの、日常の足として酷使されてきたケースも少なくなく、ボディのサビは注意したい部分。特に初期の240シリーズは錆びやすく、残存数も少ない。

モデルライフは長く、部品が年式をまたいで交換されている場合も多い。購入する際は、純正状態との違いも確認したい。

ボルボ240シリーズ(1974〜1993年/英国仕様)
ボルボ240シリーズ(1974〜1993年/英国仕様)

運転席からの視認性に優れ運転しやすく、高い快適性と堅牢性、充実した装備を兼ね備えたボルボ240シリーズ。英国でも日本でも、ボルボが市場を開拓する大きな役割を担った傑作モデルといえる。

オーナーの意見を聞いてみる

「初めてのボルボは、当時100ポンドで買った144。とても信頼性が高く、ほかに目移りすることはありませんでした」。と話すのはボルボ240のオーナー、ジョン・マウンス。

「仕事では、240エステートを今も使っています。荷物をたくさん詰めますし、本当に良い働き者です。30年以上も、英国のボルボ・オーナーズクラブのメンバーです。ほかにもPV444や、南アフリカ製の2ドア・アマゾンも所有しています」

PRVのボルボ240シリーズ(1974〜1993年/英国仕様)
PRVのボルボ240シリーズ(1974〜1993年/英国仕様)

「この1991年式の240 GLを発見したのは数年前。サビがほとんどなく、モデル末期の1台だったので、購入しないわけにはいきませんでした。レザーシートが心地よく、うれしいサンルーフも付いています」

「完璧なオリジナル状態で、5速MTでの走りが特に気に入っています。行く先々で注目を集めます。自動車ショーに乗っていくのも楽しみの1つ。部品は安価で今も入手しやすく、毎年しっかり点検整備を施しています」

英国で掘り出し物を発見

ボルボ240 DL

登録:1985年 走行:10万600km 価格:1万950ユーロ(142万円)

オランダで売られているディーゼルエンジン車。滑らかな5速MTを搭載し、自ら変速する喜びを味わえる。走行距離が伸びがちなクルマだけに、まだ10万km程度という例は希少。サビも2・3か所、散見されるだけのようだ。

ボルボ240 DL(1985年/欧州仕様)
ボルボ240 DL(1985年/欧州仕様)

ボディの塗装はオリジナルのまま。ホイールもオリジナル。丁寧に乗られ、手入れされてきたことを示す。インテリアもきれいで、ドアの小物入れなど弱点といえる部分の状態も良い。価格なりの価値はあるといえる。

ボルボ240 GL

登録:1991年 走行:6万6300km 価格:7995ポンド(123万円)

なかなか発見が難しい、走行距離が短めの1991年式。この内容でほかを探すなら、かなりの時間を必要とするだろう。

ベロア内装はほぼ新品と呼べる状態で、実用車として乗り込まれるモデルとしては、走行距離は驚くほど短い。シートは肉厚で豪華。サンルーフは、天気の良い日の運転を一層気分良くしてくれる。

ATだが、240の雰囲気にはよく合っている。2017年にタイミングベルトは交換済み。これまでの整備記録もしっかり残っているという。

中古車購入時の注意点などは後編にて。

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