【エキサイティングな近未来】メルセデス・ベンツEQS 450+へ試乗 航続距離は778km
公開 : 2021.08.28 08:25
惹き込まれてしまう特別な走行体験
走行時はもちろんほぼ無音。高速道路を飛ばしても風切り音は殆ど聞こえない。サポート性に優れマッサージ機能も付いたシートと、広々とした豊かな空間が、究極に快適な移動を叶えてくれる。
全長は5216mmあるが、後輪操舵システムを備え、低速域では印象的なまでに軽快。同時に高速域では直進安定性を支えてくれる。これらが融合することで、思わず強くEQSへ惹き込まれてしまう。虜にさせてくれるほど、ラグジュアリーでもある。
ステアリングは、ダイレクトで印象的なほどに感触が良い。大きなボディを上手に包み隠している。
姿勢制御も乗り心地も、基本的には秀逸だ。しかし最新の技術を持ってしても、物理の法則を完全に打ち消すことは難しい様子。英国の路面にはしばしば見られる、大きな隆起が連続してあるような区間を完全に均すことは難しいようだった。
コーナーやロータリー交差点へ高めの速度で侵入すると、グリップはSクラスより先に抜ける様子。車重は2480kgもある。
メルセデス・ベンツEQSは、現時点の世界で最も能力に優れた電気自動車といえるだろうか。恐らく、答えはイエス。AUTOCARとして、満点を与えるに相応しいだろうか。量産仕様で、機会を改める必要がある。
エキサイティングな近未来を体現
気になる点は2つある。巨大なモニターを採用したことの有効性と、重いバッテリーを搭載することで制限を受ける、絶対的な動的性能の高さだ。
ただし、どちらもEQSに限った条件ではない。メルセデス・ベンツは、ほかのブランドより解決に向けて大きな努力を投じていることは確かだ。動的性能は、走りにフォーカスされたポルシェ・タイカンに並んでいないことも確かだけれど。
とはいえ最新のEQSは、EQのSを名乗るのに相応しいすべてを提供してくれる。あらゆる側面で、自動車移動を贅沢で特別なものにしてくれる。しかも、近未来がエキサイティングだということを体現している。
もしかすると、完璧ではないかもしれない。しかし、限りなく完璧と呼びたい純EVであることは間違いないなさそうだ。
メルセデス・ベンツEQS 450+(欧州仕様)のスペック
英国価格:8万ポンド(1232万円/予想)
全長:5216mm
全幅:1926mm
全高:1512mm
最高速度:209km/h
0-100km/h加速:6.2秒
航続距離:778km
電費:5.5-6.3km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2480kg
パワートレイン:ツイン同期モーター
バッテリー:107.8kWh
最高出力:330ps
最大トルク:78.3kg-m
ギアボックス:シングルスピード