【2023年末で生産終了】ラーダ・ニーヴァへ試乗 約50年生きたソ連の英雄 前編
公開 : 2021.08.29 08:25 更新 : 2021.08.30 07:37
レトロで渋い雰囲気の車内
英国には、ニーヴァの輸入代理店がロンドン東部にあり、2021年モデルを購入することができる。だからといって、英国製の最新SUVに並ぶドライビング体験は期待しないで欲しい。
試乗車としてお借りしたニーヴァには、ステレオユニットが付いていなかった。実用主義を強く表す部分だと考えよう。
外観を眺めると、ボディの四隅でクルマを支えるコイルスプリングがよく見える。ボディパネルは、驚くほど薄い。ダッシュボードは質素で、センターコンソールと呼べる部分は殆どない。デフロックとトランスファーの実務的なシフトノブが伸びている。
ダッシュボードの裏側で活躍するコンピューターと、大きなタッチモニターが当然になったような現代のモデルに慣れていると、意表を突かれる。古臭いともいえるが、レトロで渋い雰囲気がないわけでもない。
基本設計が古いクルマらしく、固有の癖も存在する。長いシフトレバーは、普通に運転席へ座っていると1速と3速が前に遠すぎる。ウインカーとハイビームのレバーは、辛うじてステアリングコラムにくっついている感じ。設計者の意図通りなのだとは思うが。
エンジンを始動する鍵と、ドアをロックする鍵とが別にある。盗難にあったわけではない。車内が暑く感じてエアコンをかけると、目に見えてエンジンのパワーが食われる。
日常的な移動距離であれば、想像するほど運転が難しかったり疲れることはない。パワステもパワーウインドウも付いている。ウインカーは直進状態になると、自動で消える。
この続きは後編にて。