【どうなる?】オデッセイ/レジェンド撤退も ホンダの描く未来予想図とは

公開 : 2021.08.23 05:45  更新 : 2021.10.12 08:48

日本は見捨てられた? 失望の声も……

では、ホンダのラインナップはどのようになっていくのだろうか。

ホンダの自動車メーカーとしてのイメージをつかさどってきたモデル達の生産終了が次々に発表され、現在のホンダの商品ラインナップは、稼ぎ頭でもあるNボックスやフィット、ヴェゼルといったコンパクトモデルがメインとなっている。

インテグラのティザー画像
インテグラのティザー画像    ホンダ

一方で、北米ではアキュラブランドで「インテグラ」の復活が発表されたことなどを考えると、グローバル市場と日本市場は切り離し、国内ではNボックスや、フィットシリーズとプラットフォームを共用するヴェゼルやフリードなどをメインのラインナップとして、電動化ラインナップを形成していく考えなのだろうか。

販売面でみると、企業としてはそれも1つの正解といえるだろう。

そんな、ホンダという企業に失望を感じているファンも多いと思われる。

ホンダの未来 こだわり捨てた訳ではない

しかしホンダは、そんな明らかにEVシフトに向けた方向性での車種構成の見直しを行っている最中である2021年8月に、11代目「シビック」を発表した。

しかも、新型シビックに搭載される動力は、1.5L VTECターボとなっているのである。

ホンダ・シビック
ホンダ・シビック

ここに来て、走りを楽しめるガソリンモデルがラインナップに追加され、さらにタイプRまで導入するというのだ。

新型シビックの電動化については、2022年にe:HEVモデルを導入するとのことだが、重要なのは電動化と実益重視のコンパクトモデルへの集約一辺倒に見えたホンダのラインナップに、Cセグメントのガソリンエンジン搭載モデルが追加されたことである。

ホンダは日本市場を、一体どのように捉えているのだろうか。

ホンダ広報部に聞いてみたところ、次のような回答が返ってきた。

「今後のラインナップ計画や戦略はお答えできませんが、生産終了となるモデルについてはセグメント・カテゴリーの近い他機種で補完していきます」

「また、日本のお客さまのニーズが高いカテゴリーに、ホンダ・コネクト、ホンダ・センシング、e:HEVといったホンダならではの新しい価値が詰まった商品を投入していくことで、魅力あるラインナップを維持していきたいと考えています」

カーボンニュートラルの実現が世界的な目標となっている未来において、ガソリンエンジン搭載モデルの消滅は避けられないかもしれない。

しかし、脱エンジンとホンダらしさが失われることは、決してイコールではないのだ。

このタイミングで、1.5L VTECターボ搭載の11代目「シビック」発売を決めたホンダの決断が、その事実に気付かせてくれた。

エンジンの分野で驚くべき製品を開発し続けてきたホンダが脱エンジンを掲げ、車種ラインナップの大規模なリストラを経て、どんなニューモデルを発表していくのか、新生ホンダに期待したいところである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    先川知香

    Chika Sakikawa

    ツインリンクもてぎで見たMotoGPの一糸乱れぬコーナリングを見て、バイクでのサーキット走行に興味を持ち、モータースポーツの世界へ。乗り物を操作する事の楽しさに目覚め、モータージャーナリストに。愛車はトヨタ86/カワサキZ400/GASGAS TX200。大型自動二輪免許に加え、暇だったという理由で大型一種免許を取得した。
  • 編集

    上野太朗

    Taro Ueno

    1991年生まれ。親が買ってくれた玩具はミニカー、ゲームはレース系、書籍は自動車関連、週末は父のサーキット走行のタイム計測というエリート・コース(?)を歩む。学生時代はボルボ940→アルファ・スパイダー(916)→トヨタ86→アルファ156→マツダ・ロードスター(NC)→VWゴルフGTIにありったけのお金を溶かす。ある日突然、編集長から「遊びにこない?」の電話。現職に至る。

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